DEAを用いた整備新幹線開業による地域経済活性化とJR旅客各社の経営効率化の評価
Project/Area Number |
20K01847
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07080:Business administration-related
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
杉山 学 群馬大学, 情報学部, 教授 (40256665)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
|
Keywords | DEA(データ包絡分析法) / ノンパラメトリック検定 / 整備新幹線開業による地域経済活性化 / JR旅客各社の経営効率化 / 整備新幹線 |
Outline of Research at the Start |
本研究の概要は,整備新幹線の開業が地域経済の活性化とJR旅客各社の本業である鉄道事業の経営効率化に各々どのような効果があったかを,整備新幹線における部分開業時の前後期間の効率性の比較によって実証的に評価することである。 本研究により現時点まで進められた,いわゆる整備新幹線の整備計画実施が地域とJR旅客各社の両者にとって有益であったのか,今後の未開業区間の整備計画はどうすべきかを考察する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「DEAを用いた整備新幹線開業による地域経済活性化とJR旅客各社の経営効率化の評価」が目的であり,2022(令和4)年度は実施3年度目である。そこで,前年度で残された課題を中心的に行い,地域経済の活性化に対する評価の枠組み設定を引き続き検討し,加えて新しい分析モデルの開発を進めた。まず1点目として,本研究で用いる最新の各種データと地域経済データの新たな項目も収集,整備した。 2点目として,地域経済の活性化に対する評価の枠組み設定に関して,前年度に導入した「地域経済の活性化は若者の地元地域への定着が必須」である視点を評価の枠組みへ取込むため,前年度とは異なる試行的な分析を行った。この新たな視点では,地方へ有能な若者を呼び込み定着を図るきっかけとして,大学進学時に地元地域周辺の国立大学への進学が重要な点であると仮定した。この仮定に基づき,近年積極的に各国立大学が導入,増員を図っている「総合型選抜」や「学校推薦型選抜」に焦点をあて,各国立大学の所在地方周辺等において,整備新幹線(北海道,東北(盛岡市・青森市間),北陸,九州・鹿児島ルート)+山形新幹線+秋田新幹線の開業との関係について,前年度とは異なる視点で分析を行った。なおこれらの新たな視点の導入は,地域経済の活性化を評価する本研究の独自な点であるため,引き続き検討を進める。 3点目として,DEAとInverted DEAを統合した新たなDEAモデルの提案については,前々年度に様々な問題点が判明したので,引き続き解決策を検討した。しかし,既存モデルとの対応や,経済学的,経営学的な解釈などに関して独自性を構築できず,新たなモデル提案に至っていない。解決策として,他の研究者から直接対面での客観的なアドバイスを得る予定であったが,今年度もコロナ禍のため実現できず,次年度へ延期することとした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の採択直後からの新型コロナ感染拡大により,当初計画していた「在外研究」と「海外での状況調査」という中心的な研究活動が実施できていない状況である。この点が「(4)遅れている。」の根本的な理由である。詳しくは次の3点である。 1点目として,本研究の分析に対応するためDEAとInverted DEAを統合した新たなDEAモデルの本格的な開発を進める中で,米国の大学などでの在外研究で,他の研究者から直接対面での客観的なアドバイスを得る計画であったが,今年度もコロナ禍のため,在外研究を実施できなかった。これに伴い,この新しいDEAモデルの計算を効率的に実行するための数値計算ソフトを導入・整備も実施できなかった。 2点目として,在外研究ができない状況に伴い,前年度に続き,海外の高速鉄道計画(シンガポールや米国など)の状況調査も実施できなかった。 3点目として,地域経済の活性化に対する評価の枠組みの設定に関して,前年度から新たに導入した「地域経済の活性化は若者の地元地域への定着が必須」である視点を取込むための検討を進めた。しかし,在外研究ができない状況のため,他の研究者からの直接対面での客観的なアドバイスを受けないままでの試行的な分析に留まっており,地域経済の活性化に対する本格的な評価の枠組み構築に至っていない状況である。 以上のように,本研究において当初計画していた「在外研究」と「海外での状況調査」という中心的な研究活動が,前々年度からの新型コロナ感染拡大により,今年度も実施できていない状況であった。したがって,次年度が研究期間の最終年度なので,次年度も海外渡航が出来ない,もしくは,渡航費用の値上がり等の問題で日程短縮が必要であるなどを踏まえて,今後の研究計画を大幅に見直す状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終年度である2023(令和5)年度は,今年度の2022(令和4)年度までに残された課題である,本研究の分析に対応したDEAとInverted DEAを統合した新たなDEAモデルの本格的な開発を,引き続き行う。そして,新型コロナ感染拡大が完全に収束しない状況でも,本研究が進展できるよう,在外研究が実施できる状況であれば行い,実施できない状況であれば,国内の他研究者から直接対面での客観的なアドバイスを得る変更計画を具体的に検討する。そして,新しいDEAモデルを国際的なオープンアクセス誌等への論文投稿を行う計画である。加えて,この新しいDEAモデルの計算を効率的に実行するため,導入が遅れている数値計算ソフトを導入・整備する計画である。 なお現時点でも新型コロナの感染状況があまり改善されない状況を考慮し,シンガポールと米国における高速鉄道計画の状況調査は,遅くとも次年度の2023(令和5)年度前半には中止の判断を含めて検討する計画である。そして検討の結果,これら国外の状況調査が中止となった場合には,当初計画を変更し国内の整備新幹線開業路線の状況調査を重点的に実施する計画である。 そして次年度は,研究当初からの予定通り,これらの研究計画の変更を踏まえ,本格的に整備新幹線の開業が地域経済の活性化とJR旅客各社の鉄道事業の経営効率化にどのような効果があったのか否かの定量的な結果を導く計画である。その研究成果を整理し,国内外での学会発表や国際的なオープンアクセス誌等への論文投稿を行う計画である。
|
Report
(3 results)
Research Products
(4 results)