Project/Area Number |
20K01880
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07080:Business administration-related
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
原 拓志 関西大学, 商学部, 教授 (60252756)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 安全マネジメント / 組織マネジメント / 組織間関係 / 技術安全 / MAISアプローチ / 鉄道安全 / 原子力安全 / 日本企業 / 技術の社会的形成 / 安全 / 技術システム / 組織連携 / 技術経営 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、技術システムの連結化に際して、その安全性を確保するための組織連携のマネジメントについて考察するものである。IoTなど情報技術の進展に伴い、技術システム間の連結化が拡大している。このように連結化が進む技術システムの開発や生産、運用を担うのは通常複数の組織である。そのため、連結されたシステム全体としての安全を確保するためには、組織連携が必要となる。本研究では、技術経営論、イノベーション論、科学技術社会論、組織間関係論などの見識を動員し、複数の事例研究を踏まえて、連結化の進む技術システムの安全を守る組織連携のマネジメントについての知見や提言を導くことを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、これまでの研究成果の一部を国際学会The 23rd Biennial Conference of the Society for Philosophy and Technology (SPT2023)で報告した。また、技術システムの安全とイノベーションに関する論文「社会的課題とイノベーション -技術システムの安全を例として- 」を国内主要学術誌である日本経営学会誌第53号で発表した。さらに別の国内主要学会である2024年度組織学会年次大会において安全マネジメントをテーマとするワークショップ「安全マネジメントに組織論がどう貢献できるのか」を企画し司会を務めた。加えて、日本学術会議と経営関連学会協議会との共催で新型コロナウイルス感染症のパンデミックにおけるレジリエンスのマネジメントをテーマとする公開シンポジウム「パンデミックと経営-危機にどう備えるか-」の開催にも主催分科会委員長として尽力した。これに基調講演をお願いしたANAホールディングス代表取締役会長の片野坂真哉氏ともテーマについて意見を交換した。 研究面では、東海村JCO臨界事故の臨界発生から臨界終息に至るまでの国、県、村、日本原子力研究所(当時)、核燃料サイクル開発機構(当時)、JCOなどの関連組織間の連携やその問題について文献および現地での調査研究を進め、MAISアプローチを用いて分析を進めた。その結果は、令和6年度に(関西大学)商学論集第69巻第1号に学術論文として公表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学会や学術論文、学会のワークショップや公開シンポジウムなどで研究成果の一部を学界や社会一般に発信できた。また、技術システムの安全な連結のための組織連携について、東海村JCO臨界事故の発生後の国や地方自治体、専門機関、事業所の連携プロセスを事例として再構築し、関連する物的存在、行為主体、制度的構造的要因の相互作用に注目するMAISアプローチで分析をして、そこから得られる教訓を引き出し、学術論文として公刊を進めている。次年度はさらに、別の事例についても調査研究を行う予定であり、これまでの4件の詳細な事例研究を比較分析し、理論的に考察する予定である。以上のとおり、研究方法についてはコロナ禍の影響によって大きく変更せざるを得なかったが、研究目的については概ね達成できる見込みであるから。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、現在取り組んでいる東海村JCO臨界事故の発生後の国や地方自治体、専門機関、事業所の連携プロセスについて、MAISアプローチによる事例分析を行い、学術論文として公刊する。また、さらに別の事故事例における組織連携プロセスの分析をMAISアプローチを用いて実施する。事例としては、航空事故を考えており、航空会社、航空機メーカー、管制などの組織間関係あるいは、各組織の中の部門間連携などに注目していこうと考えている。 次年度は本研究課題の研究計画上の最終年度でもあるので、これまで調べてきた4件の詳細な事例研究を横断的に比較分析し、理論的に考察し、研究計画に示したように、組織連携の構造、インセンティブ制度、コミュニケーション制度、物的構造と技術の活用、ガバナンス制度、リーダーシップや組織文化の醸成などについて、研究に基づいた見解をまとめたい。その結果については、別個の学術論文ないし書籍での公刊を検討する。 さらに、海外の研究者とこれまでの研究成果と今後の研究展開について意見交換を行う機会を作り、国際的な研究動向のなかで、自分の研究を位置づけるとともに、国際的な発信についても機会づくりを図っていきたい。
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