Project/Area Number |
20K01922
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07080:Business administration-related
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Research Institution | Gakushuin Women's College |
Principal Investigator |
金城 亜紀 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 教授 (00636946)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 担保 / 倉庫 / 製糸業 / 養蚕 / 桑葉 / 金融 / 製糸 / 民法典 / 債務者 / 渋沢栄一 / 製糸金融 / 動産担保 / 動産 / 倉庫証券 / 繭 / 諏訪 |
Outline of Research at the Start |
長野県の地方銀行が開発した、倉庫を用いた動産担保融資は、同県を製糸業の世界的な産業集積地として発展することに大きく貢献した。担保となった動産は生糸の原材料である繭である。1927年には同県で倉庫に保管された繭の約6割が担保として用いられ、倉庫会社と銀行は密接に連携して製糸家に繭担保融資を提供した。しかし、そのような金融技術がどのように成立したかの先行研究はほとんどない。そこで、本研究は諏訪倉庫の前身である上田倉庫に着目し、倉庫を用いた繭担保融資の成立を実証的に明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍が収束し遅延していた当該研究を推進するはずであったものの、予定していなかった事情(学習院大学との統合計画が発表された影響で入試の責任者としての業務が著しく増加した)により校務に忙殺され遺憾ながら長野県岡谷市での実地調査はできなかったものの、下記の研究を行った。
第一に、製糸業における動産担保についての考察を進め、「債務者保護を立法目的とする担保ー民法典における養蚕家の保護と桑葉供給の先取特権」の論考を執筆した。明治政府は、零細な養蚕家に対し養蚕に必要不可欠な桑葉を円滑に供給するために、民法典において桑葉農家に法定担保である先取特権を与えた。注目すべきはその立法目的が明確に(債権者ではなく)債務者である養蚕家の保護をうたっている点である。本事例は、上田倉庫を用いた繭担保融資が担保の換価により債権者の権利を保護することを主眼とするものでは必ずしもなく、第十九銀行の融資を積極化に引き出しひいては製糸業を発展することに重きが置かれたという仮説と整合的である。また、今日の債権者保護という狭義の法学技術論が歴史的には必ずしも正しくなく、実態を経営学・経営史の視座から検証することの重要性を示唆する。
第二に、上記の問題意識を有する7人の専門家と『担保の歴史経営学』についての論考をまとめ同名の書籍を刊行する準備を進め(研究代表者が共編著者)、その第6章に前述の論文を掲載する予定である。また、上田倉庫における繭担保融資がその起源をローマに有し(第3章「すべての道はローマに通じつー倉庫を利用した集合動産担保の萌芽」宮坂渉)、直接的にはフランスから制度を導入した可能性が高い(第4章「フランス銀行における「倉庫証券割引」の歴史的意義ー動産担保機能の重層性」武田佑太)ことを検証した。本書は2024年中に刊行できる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
校務多忙により現地調査がほとんど実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
現地調査を実施することにより、本年度に当該研究を終える予定である。
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