雇用終了紛争当事者の行動原理の解明―「超社会性」の論理と「家」の論理を手がかりに
Project/Area Number |
20K01930
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07080:Business administration-related
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Research Institution | Kawaguchi Junior College |
Principal Investigator |
平澤 純子 川口短期大学, その他部局等, 教授 (50517224)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 雇用終了 / 解雇 / 雇止め / 紛争 / 超社会性 / 日本的経営 / 家の論理 / 行動原理 / 家 / 雇用調整 / 整理解雇 / 経営社会政策 |
Outline of Research at the Start |
整理解雇や雇止めをめぐる紛争(雇用終了紛争)が長期に及び、裁判へ進むなど大規模化するとき、紛争当事者の行動には一見すると非合理的に思えるものがある。本研究では「超社会性」の論理と「家」の論理を手掛かりに紛争当事者の行動原理の理解と説明に努める。 雇用終了紛争に対し、国家を主体とする政策はもちろん重要だが、外部から画一的に問題に接近するので限界がある。なにより、整理解雇や雇止めといった雇用調整は経営の意思決定の下に実施されるから、経営を主体とする自律的な経営社会政策が必要となる。 本研究は、紛争当事者の行動原理と整合性のある自律的経営社会政策の要件を示し、経営学の存在意義を高める研究を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は次の二つをねらいとした研究である。第一は、整理解雇、雇止めをめぐる紛争(以下、雇用終了紛争という)の当事者双方の行動原理を具体的に解明すること、第二は、雇用終了紛争当事者双方の行動原理が折り合いをつけられる自律的経営社会政策の具体的用件を究明することである。 雇用終了は労働者に大きなダメージを与えるため、その効力をめぐる労使紛争は深刻なものに発展しやすい。整理解雇、雇止めといった雇用終了(雇用調整)は、経営の意思決定で実施されるが、経営学が雇用調整を正面から深く考察することは実はこれまでほとんどなかった。他方で、労働紛争処理機関は企業外部で個別労働紛争処理制度や労働審判所といったや新たな制度が2000年頃から開始され労働政策の拡充が進んでいる。労働政策はもちろん重要かつ効力がある。しかし、企業外紛争処理機関のなかでも最終的な紛争処理機関たる裁判所の判決でさえ、紛争を最終的に終結させる決定打とならず、判決を起点とする労使交渉で紛争が終結することが多い。したがって、企業の自律的な経営社会政策はより重要であり、より大きな効果が期待できる。しかし、その分難しい部分もある。特に、紛争はできるだけ早期に、できるだけ規模の小さいうちに終結することが望ましいと一般的には思われているのに、紛争当事者たる労使当事者の言動は、この一般的合理性から乖離することが多く、これを説明し乗り越える方法を考察するという難問がある。一般的合理性から乖離する労使が多いということは、そうなる道理があると考えるべきであり、道理を説明する上で「超社会性」の論理と「家」の論理は有力な手がかりとして本研究を進めてきた。 当該年度は手がかりとなる論理について有効性と限界を検討し、限界を補う概念の検討に努めた(成果は論文と学会発表)。研究成果をとりまとめた単行本も編集段階にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画を立てた当時は海外における研究発表を定期的に予定していたが、本研究の研究期間開始の頃には新型コロナウイルス感染症の拡大で海外への渡航が困難となり、研究費の執行、研究発表に遅れが生じた。しかし、これまでの研究成果をとりまとめた単行本も現在編集の段階にあり、海外における研究発表も再開している。 この研究は長期的な研究目標の下に進めており、次になすべき研究についても検討と準備的な考察を進めているので「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる2023年度は、上半期にこれまでの研究成果となる単行本を発行する。国際的な学会、研究会での研究発表を現時点で二つ予定している。 本研究は4年間で実施するが、長期的な研究目標の下にこれを進めており、最終年度となる2023年度は次の研究も見据えた準備としてパイロットスタディも進めていく。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)