Project/Area Number |
20K01988
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07090:Commerce-related
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
林 靖人 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 教授 (60534815)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 地域ブランド / 地域団体商標 / GI:地理的表示 / 関係人口 / 連繋人口 / 総合計画 / すんき / GI / 西粟倉村 / ふるさと名物応援宣言 / 美作材 / 市田柿 / 知的財産 / エシカル / 地方創生 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、地域団体商標など認証制度等の取得が消費者のブランド・イメージに与える影響を可視化するとともに、取得した団体等が商標やブランドイメージを持続的・発展的に利用するための運用モデルの分析・提案、実践を行う。 本研究を通じて、現在経験ベースで運用されている認証制度をエビデンス・ベースでの運用へと昇華し、商品の価値向上とともに生産環境、雇用、将来人材の育成など総合的な好循環を創出することを狙う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域ブランドの価値向上と持続的な発展において認証制度が与える影響を検討するものである。これまで地域団体商標(地域ブランド商標)、GIを始め、日本遺産、ふるさと名物応援宣言など各認証制度を対象に検討を行ってきた。 調査の結果からいずれも制度等を活用することで、産地等の組織・集団化、品質の底上げ(均一化)、行政等によるPR強化で認知向上、顧客向上や消費拡大(結果として売上拡大)は、"一次的に"向上していることは示された。しかし、中・長期視点で捉えると高付加価値化や後継者、地域資源の確保等の問題は十分に解決仕切れないことが示され、とりわけ国や都道府県の制度等ではローカライズされた課題への対応が難しく、制度の限界が示された。 その間、コロナ禍によって観光等を中心にさらに大きな打撃を受けたが、図らずもDxやワーケーションなどライフスタイルの変革がもたらす「関係人口」が、価値向上や持続的発展に対して新たな貢献ができる可能性を見出した。 そこで当初の仮説では認証制度の変更等による価値向上や持続的発展を検討してきたが、ポストコロナの令和5年度からは、制度の限界をフォローする仕組み・シカケとの組み合わせに視点を変え、新たに「関係人口」を切口とした官民の地域政策・事業等を解決策として最終段階の研究に取り組んでいる。 R5年度は、2003年から継続的に関与し続けている塩尻市の総合戦略を未来投資戦略とし、政策推進においてブランド戦略を各政策の横串として位置づける仕組みづくりを進めている(R6.4.1より施行)。また、実行組織の一つとして、併せて官民協働組織である「CxOラボ」(関係人口のためのポータル・人財プール)等と連携し、新たに「木曽漆器」等のエコシステム構築を開始するに至っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画(仮説)は、調査を進めた結果、少し方向修正をせざるを得ない状況に陥るなか、加えてコロナ禍による制約で活動の制約を受けていたが、図らずもコロナ禍がもたらしたDxやワーケーションなどのライフシフトが、行き詰まりを解消する新たな手段となりうることが示された。その結果、当初以上(予定とは異なるが)の展開を迎えることができ、一気に研究成果が出始めているため。
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Strategy for Future Research Activity |
地域ブランドの価値向上や持続的発展において、地域団体商標やGI等の制度は極めて限定的な形でのみ効果(部分的には従来の取り組みに対して制約やデメリット)を持つことが確認された。しかし、同時に地方自治体(市町村)や地域企業・団体等の官民連繋による「関係人口」政策/事業を通じて、「ファンベース」と「ビジネスベース」の取り組みが展開されることで、付加価値向上と持続的発展(後継人材)の余地があることが示された。 R6年度は、測らずも延長された期間をうまく活用し、これら「関係人口」による地域ブランド振興のシカケ・仕組みづくりに関する実践的研究を展開する。 具体的には、前述の塩尻市における地域ブランド戦略(総合計画:未来投資戦略)及びそのアクションプランを通じて、「木曽漆器」のブランド価値向上・持続的発展を関係人口の側面から研究する。 また、当方が理事を務める地域活性学会において、2023年度に設立した「関係人口研究部会」を活用し、全国の研究者と情報交換等を行い、研究成果を精緻化する取り組みを進める。
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