Project/Area Number |
20K02060
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
小暮 修三 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (60554912)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 海女 / 漁村 / 地域力 / 地域活性化 / 過疎高齢化 / 社会関係資本 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、海女、並びに、その所属する漁業協同組合、地域共同体(自治会等)、地域行政(県及び市町村)等を対象とし、①海女を巡る共同性の実態(儀礼行事を含む協働作業、設備などの共同利用・管理、親睦活動、相互扶助等)、②それを可能足らしめる共同体の文化規範(信仰、伝承、習慣、価値基準等)、③海女の地域・継承活動、並びに、④行政の関わり方について、各地域の代表的海女、漁業協同組合、自治会等の地域共同体、行政の担当部署等に対してアンケート調査を行い、その結果を踏まえて、各人・各団体への聞き取り調査を行う。そこから、海女が、如何に過疎高齢化の進む漁村地域の活性化の要となり得るか、その潜在力を提示する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、原始からほぼ変わらぬ形で素潜り漁を生業とする「海女」が、如何に地方活性化の要(かなめ)となり得るか、その「潜在力」を提示し、過疎高齢化の進む漁村地域の活性化の一助とすることにある。そのため、本研究では、海女文化の振興を謳う地域、並びに、海女漁の多く行われている地域である12県13地域において、その共同性の在り方と地域・継承活動についての現地聞き取り調査を行っている。その調査対象者としては、海女本人、海女の所属する漁業協同組合や地域共同体(自治会等)、地域行政(県及び市町村)等が挙げられる。 実績の詳細については後述の通りだが、現時点(2024年5月)で、長崎県壱岐市、福岡県宗像市、静岡県伊東市、徳島県海部郡、三重県鳥羽市及び志摩市、山口県長門市、岩手県久慈市、計7県8地域における海女本人及び関係各者(主に、漁協組合長や行政担当部署)への聞き取り調査を実施した。また、石川県輪島市については、本年4月に、能登半島地震の復興支援のために東京を訪れた輪島市の海女本人に対するインタビューも行っている。 なお、本研究成果の一部(長崎県壱岐市及び福岡県宗像市の調査結果)については、2022年8月に韓国釜山市で開催された「韓日海女フォーラム」のシンポジウムで発表(ディスカッション)を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
そもそも本研究では、質問票によるアンケート調査、並びに、現地における聞き取り調査を実施する予定であった。しかしながら、2019年度末からの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴って、東京都(本研究代表者の居住地)における「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」を受け、計画当初予定していた現地での聞き取り調査を中止せざるを得ない状況となった。また、COVID-19の更なる拡大に伴って、不特定多数の手を経る(すなわち、多くの人びとを媒介とするような)紙媒体によるアンケート調査を中止し、現地の聞き取り調査のみの実施に変更することとなった。 このような状況の下、2020年4月から2022年3月までの2年間は、2021年11月の海女サミット(鳥羽市)、並びに、同年12月の海女研究集会(鳥羽市)への参加を除き、現地での聞き取り調査を一切行えず、調査対象地の海女漁に関する文献調査を進めると共に、調査対象者の具体的選定及び各種連絡を行うのみであった。そして、COVID-19に関する規制緩和が進んでいった2022年4月以降、感染防止対策(調査前のPCR検査等)を行いながら現地調査を行うことが可能となった。 2022年度には、同年4月に長崎県壱岐市と福岡県宗像市、7月に静岡県伊東市、8月に徳島県海部郡美波町、11月には三重県鳥羽市及び志摩市、計5県6地域の現地聞き取り調査を実施した。続く2023年度には、同年9月に山口県長門市、11月に三重県鳥羽市(再訪)、2024年1月に岩手県久慈市、計3県3地域の現地聞き取り調査を実施した。また、2024年4月には、先述の通り、能登半島地震の復興支援のために東京を訪れた石川県輪島市の海女に対するインタビューも行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終年度である2024年度には、調査対象地(12県13地域)の未調査5県5地域について、現地聞き取り調査を行う予定である。具体的には、大学が夏季休業中である8月に千葉県南房総市と宮城県石巻市、石川県輪島市、9月には福井県三国市と鳥取県鳥取市の現地調査を行い、11月開催予定の「海女サミット」において、追加の聞き取り調査を行う予定である。特に、石川県輪島市に関しては、震災復興も含めた当該地域における海女及び海女漁の実態調査も同時に行うことを目的とする。 現時点(2024年5月)においては、既に現地調査を終えた7県8地域の聞き取り調査の報告書(部分)を作成中である。また、上記未調査地域での聞き取り調査が終了し次第、本年10月以降、同地域の報告書(部分)を作成し、11月開催予定の「海女サミット」以外の追加調査も行うことを視野に入れつつ、最終的な報告書を完成させる予定である。 なお、本研究は、計画当初、調査結果を随時ホームページ等で公開する予定であったが、その聞き取り調査の具体的内容から、調査対象者へのプライバシーに極めて配慮する必要が出てきたため、その対象者の居住県や地域が特定されないように、すなわち調査地や調査時期から個人(特に、海女本人)が特定されないように報告書を作成するものとする。
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