Project/Area Number |
20K02081
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | Kumamoto Gakuen University |
Principal Investigator |
山西 裕美 熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (00320482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 香男 フェリス女学院大学, 国際交流学部, 教授 (80410059)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 外国にルーツをもつ母子家庭 / 子どもの貧困 / 東アジア / 多文化共生 / 家族主義福祉国家 / 国民国家 / 新自由主義的家族主義 / 外国人母子家庭 / 東アジア福祉国家 / 新自由主義経済 / グローバル・ケア・チェーン |
Outline of Research at the Start |
貧困の解消は、SDGs(持続可能な開発目標) 17のグローバル目標の1番目に取り上げられ、先進国にも2030年までにあらゆる貧困の解消が求められている。本研究は、日本国内で殆ど注目されてこなかった外国人母子家庭と子どもの相対的貧困問題に焦点を当て、日本の社会的要因分析を行い、課題解消に向けて取り組む。 少子化に伴う労働力不足により2019年度から単純労働での外国人労働者受け入れ拡大へと舵を切った日本政府の政策転換に伴い、今後も増加すると思われる外国人母子家庭と子どもに対する社会的排除と周辺化に関する日本の現状と課題を把握し、その解決に向けて社会学の見地から実証的に検討を試みるものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究で2023年度に予定していた研究活動は、本来研究最終年度に当たる予定であったため、研究成果のまとめ、研究報告、また研究活動を通じて得られた知見に基づき提言を行うことであった。しかし、2019年度末からの新型コロナウイルス感染拡大により、研究活動に大きな制約を受けたため、調査研究上の遅れが生じることとなった。 しかし、2023年度は5月に新型コロナウイルスが感染症法上の第5類に分類され国内外において現地調査が実施し易くなった。国内においては大阪府、東京都、千葉県、熊本県の外国にルーツをもつ母子家庭支援に関わる組織や団体等計6カ所に研究協力を求め、その支援現場や支援活動の実際を見学し、支援者にヒアリングを行った。各団体の活動内容はNPOによる学習支援、子ども食堂、子どもの遊び支援活動、社会福祉法人による入所型施設など様々であった。いずれも、久しく以前から外国にルーツをもつ子どもや保護者の抱える生活上の諸問題、子どもの学習上の不利、法律や行政手続きなどの相談対応など、多様な問題に対して具体的に支えながら息の長い支援活動が行われていることが確認できた。 また、韓国や台湾の外国にルーツをもつ母子家庭の支援団体や現地の研究協力者の協力を得て、現地調査も行った。韓国では、ソウル市と大邱市で、多文化家族と外国人母子家庭の現状について、支援する側・団体と中国にルーツをもつ母親3名にインタビューを行い、双方の立場や課題について知ることができた。台湾では、台北市と花連市で、タイ、ベトナム、フィリピン、ポルトガル、インドネシアにルーツをもつ母親計13名にインタビューを行い、新住民として支援施策が進む台湾でも当事者が抱える困難があることを知ることができた。 2023年度には、国内外において、現地調査を行い、支援側、支援を受ける側双方の課題について把握することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度末からの世界的新型コロナウイルス感染拡大により、国内移動や海外渡航が難しかった最初の2年間は国際比較研究であるため、研究活動に大きな制約を受け、調査研究に遅れが生じた。 しかし、比較的移動が出来るようになった2022年度後半からは韓国や台湾の支援団体に対し聴きとり調査を始め、更に2023年度に入り、新型コロナウイルスの感染症法における5類移行による様々な制限解除に伴い、国内外において従来のようにフィールドワークを行うことができるようになった。日本、韓国や台湾においても支援団体および当事者へのヒアリングを行うなど、国内外にて現地での研究活動が行いやすくなるに伴い、少しずつ研究初年度から始まった世界的新型コロナウイルス感染拡大の影響による研究の遅れを取り戻しつつあるが、未だ当初2年間の遅れを全て挽回するには至っていない。 未だ実施できていない国内外での調査研究活動を、2024年度に実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究展開は、これまでの本研究課題に関連する文献や資料等の研究を継続しながらも、2023年度から日本、韓国、台湾で実施してきた外国にルーツをもつ母子家庭等の支援団体や当事者インタビューをもとに、これまでの研究内容をまとめると共に、各国についてデータが未だ不足する箇所を補うため、以下の活動を展開する予定である。 日本で暮らす外国にルーツをもつ母子家庭の現状と課題の把握については、2023年度に訪問した国内の支援団体の協力を得て、当事者に、日本で生活を送る上での実際と難しい点などについてヒアリングを実施する予定である。 また、韓国でも2023年度に引き続き、支援団体の協力を得て、外国にルーツをもつ母子家庭当事者にインタビューを実施する予定である。中国以外にもベトナム、タイ、フィリピン、日本などを含めて外国にルーツをもつ母子家庭の母親多数へのインタビューを予定している。 台湾については、2022年度および2023年度に現地で実施した支援者や当事者へのインタビューデータを整理しまとめ、不足するデータがある場合には再度現地調査を行う。 以上のように、2024年度は、本研究課題について、これまでの研究成果を少しずつ論文など成果報告に向けて準備をすることを予定している。
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