Project/Area Number |
20K02099
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | Daido University |
Principal Investigator |
松木 孝文 大同大学, 教養部, 准教授 (90589269)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2020: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 陶磁器産業 / ファインセラミック産業 / 中国研究 / イノベーション / 社会学 / 地場産業 / 地域研究 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、陶磁器産地の比較調査を通して、産地の技術革新に寄与する社会関係を明らかにすることである。 本研究では日本(東海地域)と中国(広東省潮州市)の陶磁器産地を扱う。従来の地場産地研究においては、国内における比較が多数であった。産地の戦略上、国内に似通った産地が少ないことを反映してか、研究上も産地の特殊性の指摘に留まり、通底する要素について十分に検討が及ばない傾向があった。本研究で取り上げる産地は、国は異なるものの、産業・社会・文化の上で互いに似通った特徴を持つ。その比較・抽象化を通して、産地の技術革新を取り巻く因果関係を明らかにし、より広範囲に適用可能な理論を構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は既存の資料・論文の分析を主として行いつつ、新規の資料の入手に努めた。 国立国会図書館等に所蔵されている、戦後~1980年代の窯業専門紙の分析から、当時の東海地域の窯業において技術開発を主導した企業・地域などの具体的名称が明らかになった。 また、申請者は以前の調査で戦後、日本から中国各地域に対する窯業プラント技術の提供があった事を明らかにしていたが、2022年度の調査により、関連する具体的企業・団体、相互の関連などの背景が明らかとなった。 中国への窯業プラント技術の提供に関しては、岐阜県の窯業機械メーカーが重要な役割を果たしていた模様である。しかしながら中国国内の問題から、日本からの直接のプラント輸出が困難であり、しばしば中国へ「その他の国」の製品として持ち込まれたことが示されていた。以前申請者が実施した広東省潮州市の窯業調査では、しばしば「台湾からの窯業プラント輸入」が産地にとって重要な契機となった事が明らかとなったが、導入された技術の特徴や普及年代に関しては、当時の日本国内の陶磁器産業の状況と符合する点が多い。 こうした中国国外からの窯業技術の導入については、今回調査対象地域に選定した広東省潮州市の陶磁器産業にとって、また日本の陶磁器産地の動向にとって重要なポイントとなるため、関連する企業や団体等に関しては現在調査を予定している。 また、昨今の中国の陶磁器産業の動向を把握するため、「軽工業年鑑」等の統計情報の取得と整理を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス禍もひと段落ついたものの、中国調査に関しては国際情勢もあり、現在極めて難しい状況にある。また、国内の調査についてもまだコロナ禍前程に受け入れてもらえる状況にはなく、フィールドワークが難しい状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗状況で示した通り、中国現地における調査が難しい状況にあるため、中国調査については基本、資料調査に切り替えている。特に2022年度の成果として示した中国国外から中国陶磁器産地への窯業技術の導入については、関連する資料が多数発見された為、そちらをイノベーションの一例と位置付けつつ、導入のプロセスが具体的にどのようなものであったのか、明らかにしてゆきたい。 2023年度については、国内調査については以前よりも実施しやすくなると予想されるため、窯業プラント関連の企業や、中国への輸出を行う企業等に聞き取り調査を実施し、所期の研究目標を達成したい。
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