戦前期における高学歴ホワイトカラーの職業経歴に関する計量歴史社会学的研究
Project/Area Number |
20K02104
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
渡邊 勉 関西学院大学, 社会学部, 教授 (30261564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤村 聡 神戸大学, 経済経営研究所, 准教授 (00346248)
山藤 竜太郎 横浜市立大学, 国際商学部, 准教授 (00432055)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 職業経歴 / 高学歴ホワイトカラー / 高等商業学校 / 戦前期 / 日本的雇用慣行 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、戦前期の高学歴ホワイトカラーの職業経歴データの計量的分析を通じて、戦後に広がった日本的雇用慣行との類似性と異質性(つまり連続性と断続性)を明らかにすることを目的とする。具体的には、神戸高商、名古屋高工の『学校一覧』、『学友会報』の情報から数千人におよぶ卒業生の職業経歴を再構成し、計量的方法をを用いることで戦前期の高学歴ホワイトカラーの就業の実態を明らかにし、日本的雇用慣行とのつながりを検討していく。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度も、昨年度と同様、データ収集、加工、探索的分析をおこなった。データ収集に関しては、出張を伴う史料調査ではなく、大学図書館が架蔵する史料の採集と読み直しに傾注し、特に神戸高商の初代校長である水島鐵也が、学生たちの就職に当たって求職先の企業に出した推薦書(神戸大学経済経営研究所編『水島鐵也校長卒業生推薦書全集』全6巻)を分析した。その中で約2900件の就職(初職以外に一部に転職を含む)の実状を観察して全体的な動向はもちろん、卒業生の個別の事情や企業の特性などの影響が判明した。 東京高等商業学校についても、昨年度に引き続き研究を進めているが、探索的であり、具体的な成果はない。 計量的な分析については、これまでの離散ロジット分析に加えて、あらたな分析の可能性を探っているが、成果は出ていない。職歴パターンの分析の可能性、成績や推薦書といった学校の情報と入職、職歴を接続する分析などの可能性について検討しているが、まだ具体的な分析には至っていない。さらにデータが完成していない段階では、細かい分析に至ることができていない状況である。 さらに海外のキャリアパスに関する関連研究のレビューもおこなってきた。その中で本研究の国際的な研究における位置づけを検討した。戦前日本の高学歴ワイトカラーのキャリアパス研究の独自性を確認するとともに、日本固有の文脈、問題関心の違いがどこにあるのかについて議論を深め、海外投稿に向けた準備をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
過去2年間と同様、コロナ禍により、研究が遅れている。第一にデータ収集が進んでいない。2022年度はコロナを理由にした出張自粛は解除されたものの、各地の図書館では引き続いて来訪制限が一般化し、たとえば主要な調査先である東京都立中央図書館は事前予約のうえで来館者の人数や利用時間を制限する措置が取られた(2023年5月時点では解除)。こうした措置は文書館も同様であり、史料調査の計画は著しい縮小し、事実上停止していた。それにともない、分析が遅れている。データが十分に整備されていないことにより、詳細な分析が難しい状況にある。第二に研究会の対面開催が難しく、詳細な研究の検討ができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は積極的に史料調査を再開したい。神戸高商卒業生は各地の企業に就職し、それが地方の零細企業の場合は、現地に出向いて市史や町村史などの自治体史で業務内容や資本金、経営動向、経営者氏名(卒業生の父兄もしくは本人が経営者である場合も多い)を確認することが必要であり、その作業に通じて自営業あるいは企業勤務の区分が可能になる。 最終年度である2023年度は、国内レフェリー雑誌と海外レフェリー雑誌を対象に、査読付き論文2本の作成と投稿及び掲載を目標にしている。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)