Project/Area Number |
20K02185
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08020:Social welfare-related
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Research Institution | Nara Prefectual University |
Principal Investigator |
梅田 直美 奈良県立大学, 地域創造学部, 教授 (60618875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 由美 奈良県立大学, 地域創造学部, 教授 (70445047)
川田 菜穂子 大分大学, 教育学部, 准教授 (90608267)
木曽 陽子 大阪公立大学, 人間社会システム科学研究科, 准教授 (80735209)
林 尚之 立命館大学, 教養教育センター, 授業担当講師 (20733273)
上田 有里奈 奈良県立大学, 地域創造学部, 研究員 (20782600)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | コミュニティ / ソーシャルビジネス / 家族 / 当事者性 / 自律性 / ケア |
Outline of Research at the Start |
本研究では、個人事業規模のソーシャルビジネスに着目し、それらのビジネスが、人々が自律的につながり支え合うコミュニティを形成する上でいかなる可能性と課題をもっているかを明らかにする。特に、ケアに関わる課題や孤立・ひきこもりなど何らかの問題に直面した経験をもつ人が自身の経験をもとに起業した事例を取り上げ、その営みに見出せる当事者性と自律性がコミュニティの性質にどう影響しているかを考察する。また、個人事業規模のソーシャルビジネスにより創出されるコミュニティが、家族的な親密圏としての性質と多様な人々に開かれた公共圏としての性質を併せ持つ点に着目し、その特性と人々の自律性との関りを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、引き続き、これまで各分担研究で見出された本研究課題における共通軸と重要論点をふまえながら、分担者各自の視点およびフィールドでの事例研究を進めるとともに共同調査を行った。具体的には、①地域住民が主体となった地域支え合い活動を展開する団体の事例、②困難を抱える若者等を対象とした共同的な住まいを運営している団体の事例、③子育て中の父親であるインフルエンサーを中心に創出される子育てに関わる悩みや経験を分かち合えるSNSオンラインコミュニティの事例、④不登校・ひきこもり等の生きづらさを抱える若者の居場所・学びの場創出の事例などを対象として調査研究を進めた。 以上の事例は、いずれも本研究課題の核となる「自律的コミュニティ」(自らの意志によって、自ら立てた規範にしたがってつながりあうコミュニティ)を創出する可能性をもつ事例として取り上げたものである。これらの事例においては、仮説通り「当事者性」が重要な特徴となっていることが示された。また、その「当事者性」が「共感」を生み、その「共感」が広がり積み重なることで専門性の高さや組織としての盤石さによって生まれる「信頼性」とは異なる、運営者個人そのものに対する「信頼」を生み出していることも見出された。一方で、そうした個人としての「当事者性」やそれによって得られる「共感」を深める行動や言動のベースにある理念が、時として「事業性」を高めるための方針と矛盾するものとなり葛藤を生み出していることも課題として見出された。そのほかにも、自律的コミュニティが創出されている事例における共通要素がいくつか明らかとなった。 次年度は、これらの各々の事例研究をさらに掘り下げるとともに、個々の結果を包括して本研究課題全体の成果として取りまとめる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画していた各々の事例研究および共同調査を進めることが出来たが、研究期間当初のコロナ禍によるフィールド調査の若干の遅れも影響し、全体としてはやや遅れ気味である。特に、これまでの研究成果をシンポジウム等を通じて十分に共有・議論した上で、研究期間全体の成果を取りまとめるまでには至らなかった。以上の理由からこの評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度として、これまでの理論研究・事例研究双方の研究成果を研究会・シンポジウム等を通じて共有・議論し、本研究課題全体の成果としてとりまとめる。最終的な成果は、研究会・シンポジウムでの議論を通じて深め、社会に発信していくだけでなく、論集としてもまとめて広く社会に公表する計画である。
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