生活保護不正受給の認定のあり方と防止施策の研究―福祉事務所の実態を基に―
Project/Area Number |
20K02302
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08020:Social welfare-related
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
池谷 秀登 立正大学, 社会福祉学部, 教授 (70609627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 健太郎 慶應義塾大学, 産業研究所(三田), 講師 (50803516)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 生活保護 / 生活保護法第78条 / 不正受給 / 福祉事務所 / ケースワーカー / 貧困 / 被保護者 / 被保護者の意識 / 生活保護法第78条 / 生活保護法 / 生活保護行政 |
Outline of Research at the Start |
厚生労働省によると近年不正受給件数は増加し、ここ数年は高止まりの傾向となっている。 研究代表者の研究では、東京都内の福祉事務所間の不正受給認定率は最大22.8倍の差が生じている。その原因として「不正」の理解が福祉事務所により異なることが挙げられる。このことは同一事例であっても福祉事務所により「不正」か否かの判断が異なるということであり、被保護者の権利侵害や有効な不正受給防止施策の構築を阻んでいるとも考えられる。 そこで不正受給における「不正」とは何か、「不正受給」とは何か、その認定のあり方や不正防止施策はどのようにあるべきかについて研究を行い、生活保護行政に示唆を与えることとする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は生活保護の不正受給における「不正」とは何か,「不正受給」とは何か、福祉事務所による不正受給の認定の実態はどのようになっているのか、それはどうあるべきか、不正受給の防止策はいかにあるべきかを検討し、不正受給に対する適正な生活保護行政を構築することを目的としている。 令和2年度は福祉事務所における生活保護不正受給の判断のあり方などの検討を行い、被保護者の状況を把握しているといわれるケースワーカーが「不正受給」と判断した理由、根拠などとともに、保護費の返還にあたっての裁判例を検討した。 令和3年度は福祉事務所設置自治体であるK自治体(K市)と共同研究の協定を結び、K市での在宅の被保護世帯全てを対象にアンケート調査を行った。ここでは、アンケート内容、方法等について検討したうえで実施し、その一部ではあるがアンケートの結果概要をまとめることができた。また、生活保護返還金についての行政の判断について裁判例の検討を行った。 令和4年度は、被保護者の就労支援の視点から生活保護行政の不正受給の扱いについて検討するとともに、福祉事務所における不正受給の判断方法の実態を研究し、その成果の一部について学会報告(貧困研究会「福祉事務所による生活保護不正受給決定の判断方法―ケース診断会議録からの検討―」)をおこなった。また、生活保護不正受給に関わる裁判例の検討も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年度はコロナ禍の中で福祉事務所設置自体との研究が十分に行えず進捗状況はやや遅れた。 令和3年度にはK市との共同研究の協定を締結したことで、K市在住の全被保護者を対象とした「生活保護利用者アンケート調査」を実施し、その結果の一部について概要をまとめ、概要報告書として冊子を刊行することができた。またK市の生活保護不正受給を始めとする生活保護行政のあり方について、検討を始めることができた。この他に生活保護不正受給についての文献検討、判例検討も行った。 令和4年度は学会(貧困研究会)報告「福祉事務所による生活保護不正受給決定の判断方法―ケース診断会議録からの検討―」を行い、活発な意見効果をおこなった。また、論文による研究成果の発信を行うことができた。しかし、K市と共同で具体的で効果のある不正受給防止施策の検討及びまとめを予定していたが、コロナ禍のためK市ケースワーカー等との検討会が開催することができず、研究状況にやや遅れが生じた。このため、裁判例検討、不正受給をめぐる生活保護行政の沿革の研究にとどまった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は令和3年度にK市との共同研究として行った「生活保護利用者アンケ―ト」の分析とともに、福祉事務所、ケースワーカーの状況についての分析、検討をすすめ生活保護不正受給に対する適正な生活保護行政のあり方をK市職員とともに検討し、研究を進める。 また、不正受給の発生を防止する適正な生活保護行政の手法を検討し、発信できるようにする。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)