レタス種子によるアルツハイマー抑制:アミロイドβ誘導の時計遺伝子撹乱を改善するか
Project/Area Number |
20K02367
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08030:Family and consumer sciences, and culture and living-related
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
岡田 悦政 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (60224036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 瑞恵 愛知学泉大学, 家政学部, 准教授 (10173832)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2022: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2020: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
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Keywords | レタス種子 / 遺伝子発現 / 血液脳関門 / アミロイドβ / アルツハイマー病 / HPLC / 概日リズム / 時計遺伝子 / ポリフェノール成分 / レタス種子抽出成分 / 細胞 / レタス / アストロサイト / 種子 |
Outline of Research at the Start |
アミロイドβ(Aβ)蓄積は細胞死を招く。さらに、アルツハイマー症(AD)の特徴は概日リズムの「ずれ」であるが、Aβによりまた、概日リズムの撹乱が誘導される。また、食品由来成分によるAD抑制研究は、現在、血液脳関門(BBB)通過が大きな争点となっている。すでに、2014~2017年度科研費研究において、レタス種子抽出成分(LSE)による時計遺伝子発現への影響を確認している。また、LSEは、抗酸化・抗糖化活性、抗炎症作用、神経細胞死抑制効果などの機能性を有する。それ故、LSE単独および他成分との組み合わせによるBBB通過、Aβによる時計遺伝子発現リズムの撹乱改善について検討し、AD抑制をめざす。
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Outline of Annual Research Achievements |
アミロイドβ (Aβ) 蓄積はアルツハイマー病 (AD) の病因の一つとされ、その毒性から細胞死を招く。近年、ADの特徴は概日リズムの「ずれ」であることが報告され、特に、Aβにより、概日リズムの撹乱が誘導される。食品由来成分によるAD抑制に関し、実際、血液脳関門(Blood-brain barrier:BBB)を通過することが重要となる。また、レタス種子抽出成分(LSE)による時計遺伝子発現への影響を確認しているため、2020年度においてLSE単独および他成分との組み合わせによるBBB通過を検討し、結果、LSEおよび他ポリフェノール成分の通過を確認した。以上の結果よりLSEを中心としたポリフェノール成分によるAβによる時計遺伝子発現リズムの撹乱を改善し、AD抑制を目的として実験を実施した。 脳のAβ沈着は、概日リズム撹乱を誘導する。この理由は、Aβが神経細胞の時計遺伝子Bmal1転写タンパク質を分解することで、AD発症に関して概日時計機能に直接影響を与える可能性がある。本研究は、Aβによる概日リズム撹乱をLSEによって改善することで、ADを抑制することを目的としている。以下に実験結果の概要を示す。 1) レタス種子サンプルは、HPLCにより分画を得、クロロゲン酸が主成分である可能性を推察した。 2) BBB通過の測定実験はBBB構成細胞である脳毛細血管内皮細胞、周皮細胞、アストロサイトにより構成されるBBBモデルによる通過測定実験結果から、a. LSE単独 b. 数種類のポリフェノール成分単独あるいはそれぞれとAβの組み合わせについて通過度の違いはあるが、通過可能性が示された。 3) マウス海馬神経細胞は同調培養後、2)の結果を踏まえ、上記サンプルを加え培養し、PCRによる遺伝子発現測定を行った。結果 a. Aβ+LSEにおいて、また、b. Aβ+LSE+ポリフェノール成分において有意な変化を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1) サンプルの調製により、HPLC分画成分を得たこととともに、その主成分もほぼ確認できている。 2) BBB通過測定実験によりその通過可能性がa. LSE単独 (homogenate, HPLC分画成分) b. 数種類のポリフェノール成分単独あるいはアミロイドβとの組み合わせにおいて確認された。 3) マウス海馬神経細胞は同調培養後、a. LSE単独 (homogenate, HPLC分画成分) b. 数種類のポリフェノール成分との組み合わせ、あるいはアミロイドβとの混合物においてPCRによる遺伝子発現の測定において有意な発現変化を確認したため、ほぼ順調な研究進行であると考えており、今後は時間経過による時計遺伝子の経時的発現変化の測定や、 Aβ濃度変化によるa. Aβ+LSEによる4~24時間測定。b. Aβ+LSE+数種類のポリフェノール成分による4~24時間測定であり、最終的に転写因子タンパク質の測定についてELISA kitまたは、電気泳動法による測定を行うのみである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究について 3) 細胞培養 (2022年度)マウス海馬神経細胞は調整培養後、一定数蒔き、同調培養後、2)の結果を踏まえ、a, bを加え培養する。a. LSE単独 (homogenate, HPLC分画成分) b. 数種類のポリフェノール成分と、あるいはアミロイドβとの組み合わせ 4) PCRによる遺伝子発現の測定 (2022~2023年度)(分担:岡田瑞恵)Bmal1, Per1, Cbpについて発現変化を検討する。a. 時間: 4~24時間のコントロールとなる時計遺伝子の経時的変化によるベースラインを得るため測定を行う。b. Aβ濃度変化:濃度の違いによる振幅リズムの違いのベースラインを測定する。2021年度までの結果からサンプルを選択a. Aβ+LSEによる4~24時間の測定。b. Aβ+LSE+数種類のポリフェノール成分による4~24時間の測定。 5) 転写因子タンパク質の測定 (2022~2023年度)BMAL1, PER1, CBPの測定を行う。タンパク測定kitまたは、電気泳動法による測定を行う(分担: 岡田瑞恵)。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)