Child poverty in early childhood and preventive and educational parenting support measures from home economics perspective.
Project/Area Number |
20K02399
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08030:Family and consumer sciences, and culture and living-related
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Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
岩崎 香織 東京家政大学, 家政学部, 准教授 (00641458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日比 香子 國學院大學栃木短期大学, その他部局等, 講師 (30789384)
寺崎 里水 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (70432028)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 幼児期 / 家庭環境 / 保護者 / 養育態度 / 食 / 社会経済的背景 / 家庭科 / 保育 / 養育環境 / 貧困 / 幼児 / 家政教育 / 子育て支援 / 学校教育 |
Outline of Research at the Start |
2000年代以降、日本の子どもの貧困率の高さが社会問題となった。幼児期の子どもは、少子化によるサンマ(仲間、時間、空間)の不足、保育の長時間化、生活リズムの乱れ、運動不足、生活体験の減少、家庭の学校化、貧困や虐待の相談件数の増加等、多様な発達の危機に直面している。共働き家庭が増え、保護者も育児と生活に困難を抱えている。 本研究は、保育所等を利用する就学前の子どもの発達と保護者の生活に注目し、幼児期の貧困が子どもの発達に与える影響を明らかにする。保護者の子育て の困難や支援ニーズ(顕在ニーズ・潜在ニーズ)を把握し、危機を克服するための家政学的 視点を導入した子育て支援教育プログラムの開発を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、育児期の多忙な生活や子育ての現状を明らかにし、保護者の教育歴や生活歴との関連から保護者の支援ニーズを検討し、家政学的視点から子育て支援教育プログラムを開発することを目的とする。2022年度は、質問紙調査(首都圏保育所2019年、地方都市保育所・認定こども園2021年)の分析・成果発表を中心として研究を進めた。 首都圏調査の分析から、毎日朝食を食べる子どもは92.1%、保護者と一緒に食べる割合は54.3%であり、毎食食べる食材としては、野菜45%、肉・魚・卵などのタンパク質51.5%、牛乳や乳製品32.4%で、パン11.6%、スナック菓子2.8%であることが分かった。家庭の社会経済的背景(SES)別に世帯平均所得をみると、Lowest425.2 万、Lower Middle639.3 万、Upper middle821.3 万、Highest1183.2 万と差が大きかった。毎日朝食を食べることができていない子供は 7.6%おり、低位の SES グループだけに存在するわけではなかった。「野菜」や「果物」については SES ごとに摂取の頻度に違いがみられた一方で、「購入した惣菜や弁当」については、SES による回答の差がないことが分かった。 地方都市調査の分析から、保育利用状況別に幼児の基本的生活習慣の定着率をみると、保育所及び認定こども園を保育利用する子どもの方が、教育利用する子どもよりも「食事」「着脱衣」の習慣が身についており、子どもの基本的生活習慣の形成が集団保育の場に任される傾向が確認された。また、小・中・高等学校の家庭科が育児に役立つと感じていた保護者は、家庭での幼児の基本的生活習慣や生活的自立を促する養育態度をとり、「子どもの発達や子育てを大学等で専門的に学んだ経験」は、子どもの教育的発達を促す養育態度(体を動かす、絵本を読む等)と関連する傾向がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、期間全体を通して4つの調査・研究を計画している(a.共働き世帯の支援ニーズの把握2020~2021年度、b.保育所の支援のあり方の検討2020~2022年度、c.子育て支援に関する理論・方法論の調査2022~2023年度、d.学習プログラムおよび教材開発2022~2023年度)。 a.共働き世帯の支援ニーズの把握のための質問紙調査は、研究計画通りに実施することができた。国内発表として、2件の口頭発表(日本子ども社会学会第27回大会、大学家庭科教育研究会)と2件のポスター発表(日本家政学会第74回大会)を行った。国際発表へ向け、2023年8月に開催予定のアジア地区国際家政学会議(ARAHE2023)にエントリーし、ポスター発表2件が採択された。 b.保育所支援のあり方の検討に関しては、保育所等を対象に参与観察とインタビュー調査実施を計画していたが、2022年度は、新型コロナウィルスの感染が収まらなかったため、2021年実施の地方都市保育所・認定こども園調査の協力園への調査依頼を行ったが、受け入れができないとの回答があった。そこで、調査結果パンフレットを作成(3500部)し、調査協力者(約3100名)へ協力園を通して配布した。 c.子育て支援に関する理論・方法論の調査やd.学習プログラムおよび教材開発は、2023年度の子育て支援講座の開催へ向け、子育て支援学習プログラムの作成(書籍の出版計画と執筆、出版助成への応募)とワークショップ運営の計画を進めた。その結果、板橋区地域子育て支援拠点事業として、東京家政大学が板橋区から委託され運営する「森のサロン」にて2023年度に子育て支援講座を開催できることが決定した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、本研究の計画する4つの調査・研究(a.共働き世帯の支援ニーズの把握、b.保育所の支援のあり方の検討、c.子育て支援に関する理論・方法論の調査、d.学習プログラムおよび教材開発)について、以下のように進める。 a.共働き世帯の支援ニーズの把握のための質問紙調査は、首都圏調査と地方都市調査データの分析と成果発表(国内発表と国際発表)を進める。国際発表としては、ARAHE2023でのポスター発表にエントリーし、採択された(2件)。 b.保育所支援のあり方の検討に関しては、2023年度に国内外の保育所等を対象に参与観察とインタビュー調査実施を計画している。海外の子育て支援の現状については、ARAHE2023の開催国であるマレーシアや保育の質の評価について先進的な取り組みを行う台湾等を予定している。新型コロナウィルスの感染状況やワクチン接種の状況等を検討し、実施が難しくなった場合には、対面での調査実施を中止し、電話やオンラインでの対応を検討する。 c.子育て支援に関する理論・方法論の調査やd.学習プログラムおよび教材開発は、板橋区地域子育て支援拠点事業として、東京家政大学が板橋区から委託され運営する「森のサロン」にて子育て支援講座を実施する。 また、本研究の質問紙調査に関する研究成果に基づく子育て支援学習プログラムの開発をすすめ、研究成果報告書の作成を進め、書籍化を目指している。2022年度末に法政大学の科研費成果に関する出版助成へ応募した。
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Report
(3 results)
Research Products
(14 results)