ケイパビリティアプローチに基づく学校外教育の効果測定と公教育システムのモデリング
Project/Area Number |
20K02451
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
福島 賢二 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (90582164)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
|
Keywords | 学校外教育 / 教育機会 / 学習システム / 教師の専門性 / ひとの育ち・変容 / ケイパビリティ / 公教育システム / 教育(学習)機会 / 異文化理解 / 効果測定 / 教育方法 / 学校外教育((ノンフォーマル教育) / エビデンス |
Outline of Research at the Start |
「学校外教育(ノンフォーマル教育)」は、既存の公教育システムから零れ落ちた人を対象にした学びの空間であり、その空間には既存の公教育システムとは異なる、学習システムがある。この学習システムは、誰もが零れ落ちることがない公教育システムを構築するうえで欠かせないヒントとなる。とはいえ、現在の研究では学校外教育の学習効果を測定する研究に加え、学習方法と学習効果を結合させて測定する方法がない。これをするために本研究では、ケイパビリティ・アプローチを応用し、「学校外教育」において蓄積されてきた学習システムの効果を測定し、抽出された効果的な教育・学習方法に基づいて新たな公教育システムを考案する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度から研究2年目までコロナ感染拡大の直接的影響を受け、調査地での現地調査がまったくできないできたがオンラインツールを使い、調査対象者との関係づくりや聞き取り調査を継続して行ってきた。こうした地道な関係づくりをしてきた結果、コロナに対する社会的理解が進んできた2022年度(研究3年目)からは、調査地への現地調査を開始することができた。本研究で最も注目しているフリースクール・珊瑚舎スコーレには、年3回の調査に入ることができ、教育活動の実際及び学習システムについて情報を収集することができた。創立者から学校の理念やカリキュラムについての考え方を含め、学習システムの様態について詳しく話をきくこともできている。 また、日本語教室として全国的に注目されている地球っ子グループとは、調査者及び被調査者という関係をこえて事業を協働するというところまで関係構築が進んでいる。また地球っ子グループの創立者と学習システムについて共同論文を執筆する実績もつくった(「多様性に根ざした『公正』としての『教育』活動の検討(第一部)地球っ子グループ『てんきりん』の2021年度の活動に着目して」『埼玉大学紀要 教育学部』第71巻第2号、2022年9月30日発行)。 さらに2023年2月には調査対象として注目してきた珊瑚舎スコーレと地球っ子グループのスタッフを埼玉大学へ招聘し、学校外教育の可能性についてのシンポジウム(「『生活(life)』から人間の育ちと学びをとらえ直す-創る・楽しむ・共生する」)を開催し、学校外の学習システムの可能性について社会発信する機会も創った。 研究年度3年目は以上のような飛躍的な実績をつくるに至った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
調査対象として設定してきたフリースクール・珊瑚舎スコーレと、日本語教室・地球っ子グループについて、研究計画を作成した当初予想していた以上に、学習システムについての情報が調査活動のなかで得られている。また効果測定についてのエビデンスについても、エビデンスを具現化している資料の選定もできているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまで得られた膨大なデータをすべて文字データに変換する作業を行う。そのうえで、そのデータをもとに再度、現地調査と聞き取り調査を行い、データの齟齬と整合性を確認する。 また、エビデンスに関わるデータの選定はできているが、当該資料は個人情報データのため、このデータをこれまでの地道に行ってきた人間関係を通じて閲覧させてもらう予定である。 こうした作業を通じて、本研究で目的としてきた調査対象地の学習システムの全貌を明らかにするととともに、そのシステムのなかで学習者がどのように育ち・変容しているかを明らかにできると考えている。
|
Report
(3 results)
Research Products
(1 results)