日本の戦後初期授業実践における「表現の指導」に関する基礎的研究
Project/Area Number |
20K02453
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
冨士原 紀絵 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (10323130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 ひさき 朝日大学, その他部局等, 教授 (70079127)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 東井義雄 / 戦後教育実践史 / 表現活動の指導 / 作文教育 / 生活作文 / 教科作文 / 日本の戦後授業実践史 / 表現の指導 / 生活綴方 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、日本の1950年代から60年代における子どもを主体とする学習指導の特徴を、子どもの学習の実態に即して解明することである。 具体的な方法として、1950年代から60年代の小学校の教育実践における、子どもの表現に関わる教師の学習指導の実態について、教師側の指導の意図を示す指導案や授業記録、子どもの学習成果を示す資料(ノートや作品等)を収集し、教師や当時の児童にインタビュー調査を実施する。 以上の調査で収集した史料の分析を通して、長年日本で継承されてきた子どもを主体とする教師の指導のあり方の特徴を明らかにすることで、今日の子どもを主体とする授業論のあり方に寄与することを目指している。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度も1950年代の生活綴方教師の学習指導上における表現活動の実態を示す資料の収集と分析を行った。依然としてコロナ禍の影響により、当初想定していた、現在高齢である当時の教え子(児童)への多地域での聞き取り調査は実現が困難だったものの、今年度は東井義雄の教え子へのインタビュー調査が実現した。ただしインタビューはあくまで予備調査であり、次年度は予備調査をもとに調査内容を絞り込み、本調査を実施する。 また東井義雄ゆかりの方々が運営を行っている東井義雄記念館に、近年、遺族から多数の資料が寄贈され、未整理のまま存在していることが判明した。 よって、今後は研究のターゲットを東井義雄に絞ることとし、本年度は未資料の資料の整理を行い、最終年度となる2023年度はその整理を継続し資料目録を完成させるとともに、その中で表現活動に関する資料を発掘し、教え子へのインタビュー調査(本調査)を実施して、学習指導と表現活動の関係性を調査する方針を決定した。なお、本年度、研究分担者の豊田が東井義雄記念館と正式に資料調査と研究の協力関係を結ぶことが確定した。 さらに、東井に対象を絞ることにより、これまでの先行研究で知られている彼の経歴を洗い直すことを試み、豊田ひさきが研究成果をまとめ、2つの研究会(①8月20日開催:2022年度東井義雄創成塾研究会:於豊岡市但東庁、②9月3日開催:2022年度教育・授業実践史研究会:於名古屋柳城女子大学)で発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2022年度もコロナ禍の影響が続き、想定していた宮城県、秋田県、山形県での80歳から90歳代の方へのインタビュー調査が不可能であったことによる。文献調査・研究に方針を転換したが、インタビューで得られると想定していた情報、新資料の手がかりを得ることが出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初本研究で想定していたすべての地域での資料収集は出来ないものの、兵庫県で東井義雄の教え子へのインタビュー調査が可能であり、さらに東井に関する未整理の新資料が多数残存していることが判明した。よって、今後は兵庫県に絞り研究を進めることにする。東井は日本の生活綴方教育を代表する人物であり全国の教師への影響力も強かったこと、兵庫県は1950年代以降も生活綴方教育の盛んな地域であること、研究協力者にも関西の綴方教育・表現教育を熟知している方が含まれているため、東井義雄を研究の中心としながらも、それを手がかりに全国的な生活綴方の表現指導の傾向をつかめると考えている。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)