近代日本における実業補習学校と地域社会に関する調査研究
Project/Area Number |
20K02552
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Ashiya University |
Principal Investigator |
三羽 光彦 芦屋大学, 臨床教育学部, 教授 (90183392)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 実業補習学校 / 地域教育 / 産業教育 / 青年教育 / 青年学校 / 教育自治 / 農村教育 / 全村教育 / 地域社会 / 近代日本教育史 / 学校制度 / 社会教育 / 民衆教育 / 6・3・3制 |
Outline of Research at the Start |
都市や農村など、地域社会に即した実業補習学校の多様な発展過程は、地域に根ざした青年教育を創造する過程であり、民衆的な青年教育(ひいては大衆的中等教育)のあり方を自生的に創り出す過程であったと考えている。そしてそれは初等・中等学校を中心とする近代公教育の表の面とは異質な、民衆的・自生的な日本の教育のもう一つの側面を示すものであったのではないかと考えている。そうであるならば、この研究は中央集権的・画一的とみなされがちな近代日本の公教育観の転換にもつながる。そこでこのことを実証するために、地域社会と実業補習学校の関連構造について、地域に密着した調査を全国にわたって実施する。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は以下の9か所の地域調査を実施し、関連資料・図書を収集した。その結果、各地域の特性や産業、住民の教育要求と結びついた地域教育実践が、戦前期の実業補習学校で豊かに展開され、そうした実践が戦後の地域教育へと継承・発展している事例をいくつも発見することができた。 Ⅰ.島根県調査(6月2日から6日)1.島根県立図書館にて実業補習学校資料調査。2.雲南市の加藤歓一郎の生産教育実践の聞き取り調査。2.雲南市立図書館における実業補習学校資料調査実施。Ⅱ.第1回和歌山県調査(6月17日から6月19日)1.田辺市立図書館において三栖公民学校について調査。2.有田市図書館において、辰ヶ浜水産補習学校の文書調査実施。Ⅲ.岩手県調査(6月30日から7月3日)1.岩手県立図書館において実業補習学校資料調査。2.同図書館において実業補習学校教員養成所の資料調査実施。Ⅳ.第2回和歌山県調査(7月21日から7月23日)1.有田市立田鶴小学校において、辰ヶ浜水産補習学校の聞き取り調査実施。2.橋本市立図書館において「山田国民学校」の資料調査実施。Ⅴ.京都府調査(7月28日から29日)京都府立図書館にて実業補習学校資料調査実施。Ⅵ.東京都調査(10月10日から13日)1.東京都公文書館にて実業補習学校資料調査。2.羽村市立図書館において西多摩公民学校の資料調査実施。Ⅶ.栃木・群馬県調査(10月29日から11月2日)1.栃木県立図書館にて実業補習学校資料調査。2.渋川市にて栗原陽太郎と高等国民学校の調査。3.群馬県立図書館において実業補習学校資料調査実施。Ⅷ.石川県調査(11月21日から23日)石川県立図書館にて実業補習学校資料調査。Ⅸ.奈良県調査(1月12日から15日)奈良県立図書館にて実業補習学校資料調査。以上の調査に関連して、行政機関や古書店などから関連する資料・文献を多数購入した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
この調査研究の期間(令和2年度以降)の前半は、新型コロナ蔓延による旅行規制、図書館等の閉鎖によって調査のための出張ができず、令和3年度も夏や冬には新型コロナの流行があり調査旅行ができなかった。同年秋は比較的出張旅行ができ、4地域での充実した調査が実施できた。令和4年度は一転して、新型コロナの非常事態宣言が解除され、上述したように9地域の有益な調査を実施することができ、多くの新たな知見を得ることができた。これらの調査を分析し報告書を作成するにはまだ少し時間がいる。そのためこの調査研究は、1年延期を申請することとなった。こうした中で、当該研究は、現在当初の目標に比べやや遅れているという状況ではあるが、その進捗状況は急速に改善されている。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の理由により、3年計画の本研究は延長して4年目を必要とすることとなった。したがって「やや遅れている」といわざるを得ない。しかし、令和4年度は充実した多くの調査研究を実施することができた。このペースで、今後は、残りの富山県、福井県、茨城県、山梨県、秋田県などを対象として実業補習学校と地域社会との関係に関する資料調査・聞き取り調査を進め、発掘した新知見については、できるだけ多くの内容を学会報告や論文にするよう努めたい。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)