エビデンスに基づく教育開発援助の展開:インドNGO「Pratham」を事例として
Project/Area Number |
20K02559
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09020:Sociology of education-related
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Research Institution | JICA Ogata Sadako Research Institute for Peace and Development (2022) Hiroshima University (2020-2021) |
Principal Investigator |
丸山 隆央 独立行政法人国際協力機構(緒方貞子平和開発研究所), 緒方貞子平和開発研究所, 主任研究員 (00862666)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 教育開発 / エビデンス活用 / インパクト評価 / 国際教育開発 / エビデンスに基づく政策立案・実践 / エビデンスに基づく実践 / インパクト評価の戦略的活用 / 教育社会学 / 教育政策 / 援助・地域協力 |
Outline of Research at the Start |
基礎教育分野の国際開発援助は、ランダム化比較試験等により得られたエビデンスを有効に活用することで、援助事業の効果・効率性を高めうるが、エビデンスの活用は進んでいない。援助事業におけるエビデンスの有効活用に関し、先行研究は、主に研究者の側の視点から、研究者の姿勢や制度環境を論じてきており、援助機関の側に焦点をあてた研究は少ない。本研究は、基礎教育分野においてエビデンス活用を通じて飛躍的に事業を発展させてきたインドNGO「Pratham」を事例とし、エビデンス活用のための組織運営・体制、事業の計画策定・運営はどのようなものかを明らかにし、他援助機関のための教訓・課題を抽出する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、インパクト評価の実施及び同評価から得られたエビデンス活用により事業の効果向上と拡大を図ってきたインドNGO「Pratham」を事例とし、エビデンスを有効に活用する援助機関の組織運営・体制や事業の計画策定・運営はどのようなものかを考察するものである。2022年度は、昨年度の進捗をもとに、オンラインでのPratham関係者へのヒアリング等により、Prathamのエビデンス活用のモデルの概念を以下のとおり精緻化し、とりまとめた論文の学術誌への投稿を開始した。
・Prathamは、読み書き・算数の効果的教授法の普及戦略に関し、事業サイクルを通じて課題を特定し、改善のための仮説を立てインパクト評価を通じて方策の効果を検証することを繰り返し、普及戦略を策定・確立した(サーチ・学習サイクル)。 ・また、Prathamは、インパクト評価とは別に、初等教育学齢期の子どもを対象とし、読み書き・算数にかかるアセスメントを例年実施し、データを公表している。Prathamは、同データをもとに読み書き・算数にかかるインド国内の課題を広く示し、インパクト評価から得られたエビデンスをもとに、効果的教授法により課題を克服しうることを積極的に発信することで州政府や資金拠出機関等のパートナーを拡大してきている。「サーチ・学習サイクル」を拡張した「サーチ・学習・コミュニケーション・サイクル」を通じ、事業効果の向上とスケールアップを図ってきている。
また、Prathamのケース分析を通じて抽出された、データ・エビデンス活用のモデルの特徴の考察のため、米国に出張し、二国間援助機関の中で先駆的にデータ・エビデンス活用に取り組んできている米国開発庁(USAID)の関係部局や、Prathamのデータ・エビデンス活用を側面支援してきているJ-PALグローバルオフィス等に訪問し、それら機関の関係者からヒアリングを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナの感染拡大の影響により研究開始当初から数年間、現地調査の実施が困難であったが、文献調査及びPratham関係者等へのヒアリングをもとに、同機関のデータ・エビデンス活用についての研究を継続し、研究論文の執筆・学術誌投稿を進めており、研究計画の遅れは徐々に解消されつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度にPratham関係者に対して行ったオンラインのヒアリングにおいて、Pratham内でデータ・エビデンス活用において主要な役割を果たしている機関(Measurement, Monitoring, and Evaluation Unitや、ASER Center)を特定し、それら機関の活動にかかる現地調査を2023年度は主に予定している。
これまでの研究を通じ、Prathamが前述の「サーチ・学習・コミュニケーションサイクル」を通じ、データ・エビデンスを用いて子どもの読み書き・算数改善事業の効果向上・スケールアップを図ってきていることが明らかとなっているが、2023年度は、そのサイクルを実現するPratham内の組織の機能等について情報収集を行い、同テーマをもとにした本研究における2件目の論文執筆に向け、研究を深めていく。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)