保育者の予期的/職業的社会化過程と保育者文化に関する実証的研究
Project/Area Number |
20K02577
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09020:Sociology of education-related
|
Research Institution | Ueda Women's Junior College |
Principal Investigator |
酒井 真由子 上田女子短期大学, その他部局等, 教授 (30591193)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 直紀 上田女子短期大学, その他部局等, 准教授 (10825590)
中村 瑛仁 京都教育大学, 教育学部, 講師 (30756028)
紅林 伸幸 常葉大学, 教育学部, 教授 (40262068)
木村 光男 常葉大学, 教育学部, 准教授 (50779527)
山口 美和 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (80465856)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
|
Keywords | 保育者養成 / 実習指導 / 実習経験 / カリキュラム / 保育者文化 / 保育者の予期的社会化 / 保育者 / 保育者の職業的社会化 / 保育者養成カリキュラム / 保育者研修 |
Outline of Research at the Start |
現在、待機児童の増加とそれに伴う保育者不足、保育の質の低下、保育者の離職率の高さが問題となっている。幼児教育の無償化により、待機児童と保育者不足の問題はさらに深刻化している。国や自治体では保育人材確保のために、新規資格取得者支援、就業継続支援、離職者の再就職支援を行っているが、問題解決の兆しは見えてこない。一方、幼児教育では、乳幼児期における非認知的能力の育成が重視されるようになり、これまで以上に保育者の資質や専門性、能力が問われるようになっている。本研究では、こうした保育者の確保と保育の質の向上という二つの課題を抱えている我が国において、保育者志望者が生きている意味世界を明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、2年制の保育者養成校の卒業年度生を対象としたインタビュー調査の分析を進めた。主に、保育者養成校在学中に困難に直面しながらも、高い保育者志望度を保ち続け「保育者になる」3名の学生の語りを分析し、その結果を日本保育学会第76回大会で報告した上で、論文にまとめた。令和4年度には、8名のインタビュー調査を基に、TEM(複線径路・等至性モデル)を用いて、保育者になりたいと考え始めた時期から保育者養成校を卒業するまでの間の「保育者になる」ことへの意欲の高まりや低下などを、個人の出来事と照らし合わせながら質的に分析を行うことで、どのような経路を辿って「保育者になる」のか(もしくは「保育者にならないのか」)を明らかにした。令和5年度は、その中でも、高い保育者志望度を維持し続けて「保育者になる」と決めた学生の保育者への社会化というライフヒストリーを、彼らの語りをもとに丁寧に全体的、連続的に読み解いていくことによって、それぞれの学生が自身の経験を主体的に統合していくプロセスやメカニズムに迫った。そこから、保育者の予期的社会化過程において、幼少期の保育体験のインパクトが保育者観の形成に影響を与えていることが見出された。彼らは、不安や悩みを抱いたときには、養成校での授業以外のインフォーマルな場で、保育者を目指す友達と悩みを分かち合う経験を繰り返すことを通して、自身の経験を捉え直していた。さらに、保育の専門的な知識や技術や子どもの存在が、保育現場で遭遇した困難な出来事を乗り越えて、「保育者になる」意欲を保持することにつながることが示唆された。 さらに、令和2年度から継続して実施している4年制の保育者養成校への質問紙調査を、卒業年度生を対象として実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究開始当初のコロナ禍の影響により研究計画を変更したことで、2年制と4年制の保育者養成校の学生を対象としたインタビュー調査と質問紙調査を継続して実施することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度から調査を実施している4年制保育者養成校において、調査当時は1年生だった学生に対して、その学生たちが卒業する時までの4年間、調査を継続してきた。そのため、令和5年度には卒業間近の4年生へのインタビュー調査及び質問紙調査を実施することができた。令和6年度は、これらの調査を分析し、その結果を公表する予定である。
|
Report
(4 results)
Research Products
(16 results)