Project/Area Number |
20K02579
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09020:Sociology of education-related
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
吉田 美穂 弘前大学, 教育学部, 教授 (10803223)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 外国につながる子ども / 散在地域 / 日本語指導 / 多文化共生 / 教育支援 / 外国人散在地域 |
Outline of Research at the Start |
外国人散在地域における外国につながる子どもたちの教育支援について,その実態と課題を実証的に明らかにすることを目的として,青森県をフィールドとする調査研究を行う。外国につながる子どもや保護者の状況,学校における教育支援の現状と課題,地域の支援資源等について全体像を把握するとともに,個別事例について質的調査を行い,散在地域における外国につながる子どもの教育支援体制の構築に役立つ知見の提出を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
外国人散在地域・青森県における外国につながる子どもの実態把握に努めるとともに、他の散在地域(九州、東北など)についても、情報収集を進めてきている。この間の調査を通して、生活言語がある程度できるために教科学習言語能力に課題を抱えているにもかかわらず、必要な教育支援を受けることができていない子どもの存在が、量的にも質的にも明らかになってきた。 一方、散在地域における支援の現状と課題については、東北・北海道地域の支援団体等の情報を収集して明らかにするとともに、2020~2022年度の文部科学省委託事業「多文化共生に向けた日本語指導の充実に関する調査研究」によって構築された青森県の「地方国立大学をハブとしたネットワーク型支援モデル」について、文部科学省委託事業終了後の状況も含め、その実態と機能を分析してきた。この支援モデルでは、2024年現在、地方国立大学内に拠点を置くNPOを中心に教育委員会や地域のさまざまな資源が連携する形で教育支援が展開されているが、支援人材が偏在し支援情報も限られる散在地域において、多文化共生を支える資源が集積する大学を拠点としたネットワーク型支援の有効性が明らかになってきている。また、青森県内では、支援実績のデータを踏まえることによって教育委員会予算の確保が進み、委託事業終了後もネットワークを生かした支援が持続的に展開されている実態も把握された。さらに、青森県教育委員会のAOMORI多文化共生推進事業が、県立学校での支援予算だけでなく、新たに日本語指導が必要な児童生徒を受け入れた市町村における当初の支援予算を担う仕組みを有していることが、常に日本語指導が必要な児童生徒が在籍しているとは限らない散在地域の小規模自治体を支える有効な仕組みであることが、2023年度に新たに日本語指導が必要な子どもを受け入れた市町村の2つの事例から確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年5月までは、新型コロナウイルス感染症等への対応が求められ、調査等での移動や人との交流に一定の制限がかかっていたことから、当初3年間であった計画が5年目に入っている。 しかし、調査研究は着実に進展しており、いずれも研究代表を務める2つの文部科学省委託事業「多文化共生に向けた日本語指導の充実に関する調査研究」及び「児童生徒の実態把握のためのネットワーク構築に向けた調査研究」で得られたデータを活かしながら、本研究においてさらに深い分析を進めることにより、当初の計画以上の研究成果が得られている。特に、青森県の小中学校を対象とした悉皆の調査によって、すべての外国につながる子ども(少なくとも一方の親が外国出身)を把握し、そのことばの力を分析するアンケート調査のデータをもとに、本研究でさらに詳細な分析を進めることができている点、青森県で構築された地方国立大学をハブとするネットワーク型支援について、実践的な立場から分析を進めることができている点は、当初の予想を超えた成果につながっている。 以上から、おおむね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
調査研究の最終年度として、これまでの成果をまとめる予定である。また、移民の子どもへの教育支援が充実しているとされる他国において、外国人散在地域での教育支援がどのように展開されているかについても調査し、比較したいと考えている。
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