持続可能なコミュニティづくりを支える食育プログラムの国際比較研究
Project/Area Number |
20K02598
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09020:Sociology of education-related
|
Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
大倉 健太郎 武庫川女子大学, 学校教育センター, 教授 (10266257)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇本 景子 武庫川女子大学, 食物栄養科学部, 准教授 (00806820)
湯藤 定宗 玉川大学, 教育学部, 教授 (20325137)
諏訪 英広 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (80300440)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | 食育 / 地域コミュニティ / 人口減 / 食文化 / 移住者 / 外国人 / ドルボム / ソーシャル・キャピタル / 社会関係資本 / エディブル・スクールヤード / コミュニティ / リスク社会 / 飢餓 / ジェントリフィケーション / 都市農園 / 持続可能性 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、「食」が人々の間の相互的関係性や繋がりを生み出す点に着目し、持続可能なコミュニティに資する、食育プログラムを提示することを目的としている。学校教育や社会福祉、地域活動のそれぞれの領域において対象化されてきた我が国における食育を、より広い視野をもって、それぞれの領域を超えたコミュニティの形成と維持の視点から捉え直す。 そのために、米国の「エディブル・スクールヤード」と呼ばれる実践や、韓国の「コンブバン」など、「食」を通じたコミュニティの取組みを比較参照し、日本の食育の特徴や性格を浮き彫りにする。更に、各国の成果を指摘した上で、我が国の新たな食育プログラムのあり方を提示する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の後半から、新型感染症による行動制限も緩和され、計画していた国内外のフィールドワークの一部を実施することができた。そのうち1件目は韓国ソウル市とソンナム市等における「食育」の状況調査であり、2件目は沖縄県南城市における「食としての稲作を中心としたコミュニティづくり」である。両者に共通する課題は、人口減を背景としたコミュニティへの求心力であり、外国人などの外部から移入者に対応することであった。 ソウル市では給食を、ソンナム市では「地域児童センター」や「多文化家庭支援センター」などの現状をみることができた。ソンナム市における1食に対する公的支援は手厚く、「みんなケアセンター」では約800円であった。またソウル市は給食の無料化を図っており、ドルボム(放課後施設)でも「おやつ」を支給している。学校や施設で提供される「食」に対する期待は高く、「多文化家庭支援センター」ではバリスタ養成やキムチ作りといった「食」をキーワードにコミュニティへの定着を図っている。 沖縄県の南城市では、「食育に関する手引き」などを参照しつつ、総合的な学習の時間やプロジェクト学習を「地域に開かれた教育課程」として学校と地域を結び付ける取組みを行っている。保護者の給食へのニーズは高いものの、行政は「お弁当の日」を設けることで、親子関係の結びつきにも注力している。また、行政の「まちづくり」では、地元の伝統的活動である「仲村渠稲作」を中心に、外部からの移住者を巻き込んだ取組みが進められている。行政の担当者、稲作会のメンバーは、沖縄出身はもちろん、海外での生活経験を持つ者などによって構成されていた。 その他、兵庫県内において、昨年度に引き続き「児童の生きる力と食生活に関わる親の態度・行動との関係」について調査を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型感染症により、現地調査や渡航が制限されてきたことによる。特に、「食」に関わるイベントが中止されたり、食事をする場所への訪問が制限されていた。ただし、こうした制限により「食事をする場所」から「食を育む場所(コミュニティ・ガーデンやコミュニティ・ファーム)」へと視点を移すことができたのは成果であった。 年度後半から制限の緩和がなされ、徐々に現場も受け入れてくれるようになったことで、調査を再開している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は、国内での調査の実施と米国等での調査を実施する計画である。 沖縄県南城市では、引き続き、食としての「稲作を中心としたコミュニティづくり」を、米国ではウィスコンシン州マディソン市における「食と土と学びに育まれたコミュニティ」の実践を訪問調査をする。前者は行政を中心とした稲作を通じたコミュニティづくりに対して、後者は非営利団体等による食や畑を通じたコミュニティづくりである。 年度末には、韓国の行政による「食」支援をも含め、三者の比較検討を行う予定である。
|
Report
(3 results)
Research Products
(12 results)