エピソード記録のための評価指標の開発-保育の質向上に繋がる「10の姿」の活用-
Project/Area Number |
20K02635
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09030:Childhood and nursery/pre-school education-related
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Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
井口 眞美 実践女子大学, 生活科学部, 准教授 (60550796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 幹生 白梅学園大学, 子ども学部, 名誉教授 (80389981)
内山 隆 東海大学, 児童教育学部, 教授 (40389648)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 保育の質 / 評価指標 / 10の姿 / 保育の質ガイドライン / 保育の質向上 / エピソード記録 / 保育プロセス / 保育者の関わり / 保育の評価 / スタートカリキュラム / 保育評価 |
Outline of Research at the Start |
保育の質向上が社会的な重要課題として掲げられているが、2017年公示の保育の3法令では、子どもの育ちを見る具体的な視点として「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(=「10の姿」)」が示された。 本研究では、保育・小学校現場における「10の姿」の活用の実際と課題に関する実地調査を行う。その結果をもとに、「10の姿」を活用し、“子どもの育ちの経緯”と“保育者の関わりの視点”を関連付けた、保育プロセス向上に有効なエピソード記録を作成するための評価指標を提示する。
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Outline of Annual Research Achievements |
保育の質向上が社会的な重要課題として掲げられており、保育の質向上には、子どもの育ちの経緯と保育者の関わりに視点を置いたエピソード記録に基づく保育評価が有効だと考えている。現在、保育の3法令では、子どもの育ちを見る具体的な視点として「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(=「10の姿」)」が示されているものの、保育現場では「10の姿」を5歳児終期の達成目標と誤解して捉え、保育をプロセスでなく結果のみで評価してしまう懸念も生じている。そこで、本研究では、保育・小学校現場における「10の姿」の活用の実際と課題に関する実地調査を行ってきた。 2023年度は、「保育者の関わりの視点」27項目を用いた「保育の質向上のための評価指標」を検証し、完成させた。そして、開発した評価指標は研究を計画した当初の目的通り、保育・教育現場で実際に活用できるような研究図書を刊行し、評価指標を用いた保育の評価の実現化を図った。 更に、日野市と共同研究を行い、開発した「保育の質向上のための評価指標」を活用したガイドライン策定に着手した。このガイドラインには、評価指標と共に、日野市の全保育施設(公立保育所、私立認可保育所、認証保育所、認定こども園)から収集した各保育施設のエピソード記録の好事例を掲載し、日野市内の保育施設の保育の質向上を目指すための資料として、2025年2月に冊子化する計画である。 このガイドラインでは、研究者が開発した「保育の質向上のための評価指標」をその活用方法と共に掲載し、保育者が自らの保育を適宜評価し、保育の質向上を図れるようにした。これにより、客観的評価が難しい、我が国の「遊びを中心とした保育」をより適切に評価できる指標を広く保育現場に周知できる環境が整ったことが大きな成果と言える。2024年度は、ガイドライン完成、冊子化を目指し、研究を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度に日野市との共同研究がスタートしたばかりであったため、本研究は2024年度まで研究期間を延長した。2023年度は研究が順調に進展しており、2024年度中には、最終報告として冊子化できる見通しである。研究図書の刊行、保育の質ガイドラインの冊子化により、評価指標を広く保育現場に普及させることが可能となり、研究は順調に進展しているといえる。 ただし、課題としては、0歳児から5歳児までの各年齢ごとの「10の姿」の具体的な様相の分析が十分とは言えない点が挙げられる。引き続き、現在収集している日野市内の全保育所・こども園の事例の分析を行い、「10の姿」の具体的様相を明らかにする必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、日野市との共同研究を継続し、保育の質ガイドラインを冊子化することによって、本研究の成果を日野市の全保育者に活用してもらうことが可能となる。冊子もA5判とし、保育者が日常的に手に取りやすいサイズで作成することを計画している。 積み残した課題は、冊子化した評価指標のデジタル化である。評価指標は、短期または中長期のスパンで恒常的に活用していく必要があるため、将来的にはより記入しやすく、記録を蓄積しやすいようデジタル化を目指している。また、今回は、日野市内の保育所・認定こども園対象の冊子を作成しているが、近い将来、日野市内の幼稚園にも協力を得て、就学前の全保育施設協働でこの保育の質ガイドラインを策定する必要がある。そのため、保育所・認定こども園・幼稚園が、保育の質ガイドラインの改訂第2版を発行する際には、デジタル化を進めていきたいと考えている。
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Report
(4 results)
Research Products
(9 results)