韓国国家水準幼児教育課程の改定・実行過程に関する調査研究
Project/Area Number |
20K02644
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09030:Childhood and nursery/pre-school education-related
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
清水 陽子 九州産業大学, 人間科学部, 教授 (70216109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹羽 孝 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 名誉教授 (10113325)
大久保 淳子 白梅学園短期大学, 保育科, 教授 (10550486)
吉田 真弓 名古屋短期大学, 保育科, 准教授 (80845967)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 保育の質評価 / 韓国オリニジップ / ヌリ課程 / 子ども中心 / 2019ヌリ課程改定過程 / オリニジップ評価 / 評価マニュアル / 韓国幼保共通教育課程 / 遊び中心 / ヌリ課程改訂 / 幼児教育の無償化対策 / 第三者評価政策 / 「2019改訂ヌリ課程」 / 韓国の幼児教育 / 韓国ヌリ課程 / 幼保共通教育課程 / 質の高い保育 / 第三者評価 / 保育実践 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、今年9年ぶりに改定・公示された「韓国国家水準幼保共通教育課程」(Nuri-Curriculum:以下ヌリ課程)の改定過程及び現場機関への施行過程において生じた問題と、その対応を明らかにするための、実証的調査研究である。 2020年度は、改定に関する政策及び研究背景、改定過程の議論の総括と、韓国の国家水準教育課程改定システムの特徴分析を行う。 2021年度では、主として施行過程に着目して、広域市水準での支援体制と課題、現場水準での受け入れの実際について調査、整理、分析をする。 2022年度には国際シンポジウムを開催し、研究成果を公開することで、日韓の研究交流の活性化に貢献する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、2019年7月に改訂公布され、現在韓国で幼稚園と保育所に適用されている「2019改訂ヌリ課程」(以下新課程)を対象として、保育実践の何がどう変わったのか、そこから得られる幼児教育・保育課程研究への示唆点とは何かについて考察することである。まず、この新課程に新設された人間像の内容及びその意義、特に「子ども中心・遊び中心」の保育哲学の内容について検討した結果、幼児・遊び中心の教育哲学が細部まで徹底されていることが特徴的であることが明らかになった。今次改訂には従来の初等学校準備教育中心、教師の計画中心の教育から、幼児の個別性・多様性を考慮した幼児中心・遊び中心の教育へとパラダイム転換が図られた。それに合わせて、例えば従来5領域において細部内容を提示していた年齢別教育課程を今回廃止し、幼児が経験すべき内容も59項目に簡略化するなど、幼児が自由に遊ぶ中で自律性・創意性等を伸長できるような方策を取り入れると共に、保育者の自律権拡大を図っていた。また、教師の計画中心の教育から転換するために、個々の教師が新しい教育方法をイメージし、教師の役割を理解しやすいように『2019改訂ヌリ課程解説書』『同遊び理解資料』『同遊び実行資料』が刊行された意義は大きいと考える。これらの現場支援資料は幼児の遊びから学びの内容や意味を読み解くための遊びの見方や記録等についての解説が充実しているため、遊びに含まれる学びの価値や、改訂ヌリ課程が追求する人間像と遊び経験との関連を個々の教師が理解し思考する上で役立つものであると考えられる。 以上の成果により、2023年9月に、「保育の質の向上につながる自己評価チェックリスト開発研究 -韓国オリニジップ評価マニュアルの評価指標を手がかりに-」というテーマで、韓国幼児教育学会主催国際学術大会日本保育学会セッションにおいて、口頭発表をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ感染防止のため、現地での実地調査を開始できたのが、2023年からであった。 それまでは文献研究や、日本国内で入手できた資料の検討を中心として進めてきたため、研究的に、ヌリ課程の実地検証の限界があった。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度に採択された「国家水準の教育課程改訂・実行過程に関する調査研究」(科研費20K02644、清水代表、2020-2023)では、2019年に改訂されたヌリ課程の改訂課程及びその実行過程に関する現地の訪問調査を実施した。申請者は、2023年8月の調査訪問を通して、韓国教員大学校附属幼稚園やソウル市内のオリニジップから、この2年間の詳細な実践報告を収集することができた。その分析に着手する中で、日本の幼児教育の「保育の質の向上」を実現するには、保育の質を的確に把握し、評価できるシステムと、評価を高めるための教育プログラムと遊び教材の開発が、必要不可欠であると考えた。 韓国では、ヌリ課程改訂後の実践の変容とその評価の実際について調査を進める。
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Report
(4 results)
Research Products
(19 results)