Project/Area Number |
20K02722
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09030:Childhood and nursery/pre-school education-related
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Research Institution | Kokugakuin University (2022-2023) Tokyo Future University (2020-2021) |
Principal Investigator |
柳生 崇志 國學院大學, 人間開発学部, 准教授 (70381712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 祐一 東京未来大学, こども心理学部, 准教授 (80751221)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | 幼児教育・保育の無償化 / 沖縄 / 子育ての支援 / 教育の貧困化 / 幼児教育・保育の質向上 / 子育て支援 / 保育の質向上 / 貧困 |
Outline of Research at the Start |
本研究の特徴は,貧困率が高い沖縄地域の現状にみられる子育て環境および教育に関する諸問題について多角的アプローチを行い,それらのエビデンスに基づいた統合的支援策を構築することである。多角的アプローチに含まれる個別の下位テーマは,それぞれが個別に研究が進められている。本研究では,幼児教育・保育の無償化の効果測定を含む国内外の貧困対策の調査結果や,保育者の質向上に寄与する具体的方策の研究成果などを取り入れながら,沖縄の子育て環境および教育の問題に沿った全体的・統合的支援策を構築し,それらの実践的検証を行いながら支援モデルのブラッシュアップを行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,2019年10月から開始された幼児教育・保育の無償化が,深刻な貧困問題を抱える沖縄の“子育て環境および教育の質的低下”を防ぐための有 効な施策として機能しているかどうかを検証すると同時に,関連する子育て・教育支援策の提案と検証を行い,統合的な支援モデルを創生することである。 研究期間4年目にあたる2023年度は,過去3年間に続いて実態調査としてのデータ収集および支援モデルの検討を行った。具体的には,1) 子育て環境および教育の貧困化の実態把握を目的として,沖縄および首都圏の幼児教育・保育・子育て支援活動従事者(主に保育者)を対象としたインタビュー調査を行い,2)調査結果から示唆された課題の解消に向けた方策を検討するためのアクションリサーチを行った。 これらの調査結果から,幼児教育・保育の無償化施策の導入によって子育て家庭における経済的メリットが家庭と支援者の双方に実感される一方で,軽減された費用の多寡にかかわらず無償化を契機とした教育の質的向上が直接的に意識されているわけではないこともわかった。 経済的事情を含む多様な家庭環境にある子どもたちが多様な通園形態をとる中で,特に今まで以上に事務的作業が煩雑になり,職務内容の範囲が広がることによって保育者にかかる負担が増加傾向にあることが示唆された。また,保育者の負担増としては,入園前も含めた様々な生活経験の違いに応じた保育内容や保育環境の工夫がさらに求められることにもつながっており,この状況をポジティブに捉えて多様な保育方法の開発がうまくなされている園もあれば,混乱した保育が常態化し,保育者の勤務状況がより悪化したと考えられる園もあるなど,施設間の格差が拡大しつつあることも示唆されるなど,幼児教育・保育の質向上が全体的に実現されているとは言い難い状態であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究期間の前半は新型コロナウイルスの感染拡大防止のための種々に制限によって,調査のための移動やフィールドワークの実施が困難であり,当初計画を適宜変更しながら研究を進めてきた。今年度においてはそれらの制限がなくなり,ほぼ自由に調査活動を行うことができており,遅れを取り戻しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間の延長が承認されたことにより,当初計画の最終年度に予定した支援モデルの評価やこれまでに収集してきたデータの取りまとめに集中的に取り組み,次年度の最終成果のまとめに注力していきたい。 また,計画未実行の国内外の調査についても最終年度の前半を目途にして可能な範囲で追加実施する予定である。
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