Research on School Crisis Management and Resilience on the Basis of High Reliability Organization Theory
Project/Area Number |
20K02739
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Hiroshima City University (2021-2022) Oita University (2020) |
Principal Investigator |
福本 昌之 広島市立大学, 国際学部, 教授 (60208981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯藤 定宗 玉川大学, 教育学部, 教授 (20325137)
難波 知子 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (30441489)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 高信頼性組織 / 学校安全 / レジリエンス / 官僚制 / 権能を与える統制 / 学校危機管理 / 学校組織 / COVID-19 / 学校経営 / 組織レジリエンス |
Outline of Research at the Start |
本研究は,学校における危機管理体制の改善に資する知見を得ることを目的とし,組織文化論および高信頼性組織論を手がかりに学校危機管理に着目することで,① 学校の危機管理の現状を批判的に検証し,その基盤とされている理念型(モデル)の特質を明らかにする,② 学校組織の特質と現在の学校が依拠する危機管理モデルとの齟齬およびそれに起因する問題点(脆弱性)を明らかにする,③危険性を直視し学校におけるレジリエンスを高める新たな危機管理モデルの構築と提案を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究のリサーチクエスチョンとして設定した「不測の事態に効果的に対処しうる、レジリエンスの高い“高信頼性組織”であるための学校における組織的要件は何か」について,COVID-19の影響を受ける学校の実態について調査を行った。その中で,緊急事態に直面した際に組織メンバーが不安に駆られず落ち着いて行動するための行動指針の特徴を,先行研究の知見を踏まえて検討した。そこからは,Enabling Formalization(Bureaucracy)という統制化の特徴を捉えることができた。またその前提として,Safety-IIの安全観を前提とした組織化が重要であることも確認できた。 研究成果の一例を示す。本研究で定点観測の調査対象としていたA校において,COVID-19の感染者が確認された際の事例に関する分析を行った。そこで確認できたのは「権能を与える(enabling)統制」(Adler and Borys 1996)という組織プロセスであり,混沌とした見通しの立たない状況の中で,レジリエンスが高められたということである。簡略に述べれば,①何を目指すか,すなわち「終着点」あるいは「着地点」を暫定的にでも明示,②終着点に至るまでのタイムスケジュールを明示,③タイムスケジュールの中でメンバーに期待される役割の提示,④判断に困った場合の相談箇所の一元化によって示された。この中で調整役を担ったミドルリーダー(主幹教諭)は感染者が発生したという危機の中でも教職員は不安に駆られることなく安心して仕事を進めルことができたと述べた。 この事例は,①校長の率先垂範による,公式化(ルール・規則・手順の提示)の推進と意思決定の集権化がなされ,②公式化の中で双方向のコミュニケーションの機会を採りながら問題点・疑問点を明らかにすることで,組織レジリエンスを高めることができることを示唆するものだと捉えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学校安全の取組に関連して,防災に関連した事前訓練の実地調査及びインタビュー調査を実施した。 また,COVID-19への感染者が確認された際に,学校がどのような取組を行ったかについても,管理職へのインタビュー調査を実施した。 これらのデータと文献研究において示された理論枠組みとの整合性について検討を行った。 当初予定していた組織文化に関わる量的調査(サーベイ)は実施できなかったが,COVID-19への対応については本研究の課題と強く関連するため,新たな観点を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
危機管理の枠組みとして設定されている,予測-軽減-対応-回復の視点から,組織がどのように学習を積んだかを把握する。とくに,2019年からの3年間にわたって各学校等で採られたCOVID-19への対応に関する評価を検討することで,危機から得られた教訓がどのように認識されているかを分析対象に設定する。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)