国語科メディア対話論の構築―対話過程における学びの明確化―
Project/Area Number |
20K02762
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
砂川 誠司 愛知教育大学, 教育学部, 講師 (20647052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
時津 啓 島根県立大学, 人間文化学部, 教授 (20518005)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | メディア・リテラシー / 写真 / 対話 / 国語科 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、子どもたち同士のメディアについての対話がどのように引き起こされ、そこからいかにして学びが生起しうるのかを明らかにし、国語科メディア対話論を構築するもので ある。具体的には、メディアに対する学習者同士の対話記録を分析し、その特徴を明らかにする「Ⅰメディアについての対話過程の把握」、メディアについての対話をメディア教育研究のなかに位置づける「Ⅱメディア教育対話論の立論」、Ⅰ・Ⅱで明らかになったことと国語科教育研究の知見を接続させ、実践的理論を構築する「Ⅲ 国語科メディア対話論の構築」である。これにより、対話を軸としたメディア・リテラシー学習を国語科の授業に組み込む基礎的な知見が得られる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究においては、前年度に行われた試行実践において蓄積された対話データを分析・考察を行った。その結果、子どもたちは(1)写真に映る事物を特定する対話を繰り返し行うこと、(2)特定するために必要な知識は経験から引き出されること、(3)子どもたちの考える経験的なリアリティに沿っているかどうかが、事物の特定に利用されること(4)写真の写され方についてはほとんど対話がなされないこと、が見出された。総じて、写真の意味内容の理解を中心に対話が進められるということに対して、現在は異なる対話のあり方が生じるきっかけについて、その対話の流れや対話者の関係性、対話場面の雰囲気等の分析を進めている。 また、対話を軸としたメディア・リテラシー学習への接合として、到達点からみた教育のあり方を捉えるために、高等学校における国語教科書における人工知能関係の教材について考察を行い、「「現代の国語」における情報・メディア・人工知能(AI)」(『国語国文学報』第八十一集、49-62)として発表した。 さらに、同様の目的をもって写真を活用した国語科の授業のあり方について、教員養成大学における授業を試行し、「国語科で写真を教材として考える試み―教員養成大学における授業として」(『ランガージュ1』122-141)として発表した。 これらの検討において、目的としてのメディアの活用についてはその枠組みなどが明確になりつつあるが、本研究においては対話の過程に焦点を当てるものであるため、その点についてのより詳細な分析と考察を進める必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画では対話データの分析は三年目までに終わらせ、そのうえで新たな単元を開発することとしていたが、膨大なデータを分析にかけられる状態にまで一応は整えることはできたものの、考察から新単元の開発までには十分至っていない。これは、対話の過程において、対話者が写真のどこを見ながら(意味づけながら)対話を行っているかなどの情報が不足していることにも起因しており、対話の言語データおよびその様子を映した映像データのみでは考察に推測的なものが入り込みすぎてしまったことにもよる。その対策として、対話過程におけるより適切な情報の整理を検討することに時間を要したことにより、(4)遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
対話過程における対話者の様子をより適切に把握するため、メディアを見るときの視線や、対話場面における視線など、視線の検討を行う。それにより、対話の最中に学習者がどのような意識でメディアに向かっているのか、あるいは他の対話者と相対しようとしているかということの考察がより可能になると思われる。また、本研究ではイギリスから専門家を呼び、授業を視察および共同討議する案を計画していたが、その実現が困難であることに鑑みてオンラインでの協議を実施できる体制を整えた。その体制のもと、オンライン協議を実施し、より考察の精度を高めることを行う。
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Report
(3 results)
Research Products
(9 results)