Project/Area Number |
20K02841
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Mukogawa Women's University Junior College Division (2023) Mimasaka Junior College (2020-2022) |
Principal Investigator |
壽谷 静香 武庫川女子大学短期大学部, 幼児教育学科, 講師 (00853467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安久津 太一 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (00758815)
ゴードン リチャード 星槎大学, 共生科学部, 教授 (00869422)
天野 一哉 星槎大学, 公私立大学の部局等, 教授 (10600364)
有元 典文 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (30255195)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | ミュージッキング / 音楽教育 / 実践共同体 / 省察的実践家の試行 / 遠隔教育システム / ハイブリット / 遠隔 / コミュニティ / 参加型アクションリサーチ / へき地教育 / 新型コロナウイルス感染症 / 実践的研究 / 行為の中の省察 / 多重知能の理論 / 理論と実践の連関 / 遠隔教育 / 音楽の関わり合い / ナラティヴ研究 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、Christopher Small(1998)が提唱した「ミュージッキング」の哲学を遠隔支援下で実践する。特に過疎地域をテレビ会議で繋いで、音楽的コミュニティの創生を目指す。研究者等が遠隔支援下において開発した、ミュージッキングの活動とその創生過程を検証し、特に若い世代と高齢者、音楽経験や知識技能も異なる参加者の関わり合い促進に、遠隔支援下でのミュージッキングの実践が、どのように有効・有用であったか、明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
遠隔教育システムを活用したミュージッキングの実践的モデルの開発が進捗した。研究期間内に研究者が積み重ねてきたデータ、資料及び実践的研究の記録が集積・整理されつつある。回顧的な検証とあわせて、学会発表、論文執筆に取り組んだ。国内外での実践を継続しつつ、実践を遠隔も活用しつつ、国際的なフィールドでも検証し、事例に即したインタビューを執り行うことができた。データを実践者及び研究参加者、実践に参与した音楽家や教育の専門家間で複眼的に解釈し、ナラティブを共創し、執筆執筆につなげることができている。フィールドワークは、特に国内外の研究機関、学校園、地域で実践を繰り返しつつ検証し、実践の改善を図ることができた。これまでの実践事例に加え、国内のへき地の学校や通信制高校等を含む各フィールドをはじめ、諸外国の研究機関や音楽教育系団体と協働し、ミュージッキングの実践を試行し検証した。一箇所のフィールドで、複数の部屋を遠隔教育システムでつなぎ、各所で一つのミュージッキングの実践を執り行い、研究者と実践者で省察を行った。さらにその実践を国内外各所の研究者が視聴し評価した。また国内外の学会発表もワークショップ形式で行い、研究の知見を共有しつつ、さらに新たな知見を得ることができた。 題材をこれまでのクラシック音楽や既成作品ではなく、即興的な音楽を導入した点も新しい取り組みとなった。一例として、エリックカール作の絵本『はらぺこあおむし』などの作品を通して、絵をモチーフに、音や音楽を創作するミュージッキングを取り入れた。参加者一人一人が得意とする表現媒体を、音楽に限定せずに選択できることとした。90分かた120分という限られた時間で実践が執り行われたが、各自が課題開発、問題解決し、他者と共同する試みを、省察的実践家の思考、実践共同体形成の視点からも検証することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遠隔教育システムを活用したミュージッキングに関するフィールド研究、学会発表、論文投稿が概ね順調に進捗し、研究が進展した。特にフィールド研究においては、実践面におけるデータの共創という観点から、実践の参加者と研究者が同じ実践を省察し、共同体形成の機序を検証することができた。遠隔会議システムを活用しミュージッキングを実践することで、国内外の研究者・実践者が多角的に実践を検証できた。また、より広い世代や、へき地を含む遠隔地域の音楽の関わり合いを促進することを確証できた。実践においては既存作品や既成音源等に依存せず、即興的な音楽表現を積極的に導入し、新しい知見を得ることができた。学会発表では、北海道教育大学旭川校において、雪をテーマにしたミュージッキングが行われ、その場での関わり合いからミュージッキングが喚起される様相を実践的に検討できた。またICTの活用も視野に、新たな実践が進展した。新型コロナウイルス感染症の影響や、実践面での制約が減衰し、現場でのフィールド研究、一つの拠点内で別教室をつないで実践するなど、ハイブリットの実践、ポストコロナの実践の新しい方向性も見えてきた。
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Strategy for Future Research Activity |
音楽教育学の革新ともなるミュージッキングという新しい方向性を拓く実践を確証していくことが今後の方針となる。文化人類学や音楽、音楽教育学の統合、さらに関わり合いを客観的に評価することを目指す。そのために、関連諸理論や方法論の検討と、比較国際的見地を加味して、実践を評価することを目指す。最終的に音楽と人間生活の関わりを広く位置付け、特別支援への応用という臨床的な主題から拡張してミュージッキングという概念を社会的生活の豊かさとしてユニーバサルに位置付ける。 7月シンガポールで開催される国際学会における口頭発表で、ワークショップ形式の発表を予定している。あわせて英文和文双方での論文発表を計画・準備している。遠隔と対面のハイブリットで実践可能な音楽セッションの可能性を追求することが新たな試みとして加えられてきたが、さらに検証を重ねる。またオンラインでの同時演奏も含めて、異なる空間をつないで、同一のミュージッキングを実践し、実践共同体がいかに形成されるか、検証を重ねる。評価にも遠隔教育システムを活用する。国際的なフィールドも追加することで、多文化の文脈でミュージッキングを検証することも継続して発展させる。 遠隔教育システムを活用したミュージッキングの実践は、人々の関わり合いの促進に有効であることが実証されつつある。必ずしもコロナを原因としない、遠隔教育システムを活用したミュージッキングの実践的モデルを開発し、人間科学の視点から概観し、評価することを目指す。
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