Project/Area Number |
20K02908
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
中島 卓郎 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (20293491)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 音楽科教育 / ドイツ / 海外連携 / 社会 / 生活 |
Outline of Research at the Start |
調査・分析の対象を、①ベルリン州の学習指導要領、②教科書とCD音源、③実践授業、④学期試験とアビトゥア試験内容および評価基準、⑤試験結果にみる生徒の変容、⑥授業実践者への聞き取り調査、⑦卒業生への聞き取り調査とする。 上記によって、ドイツの音楽科における「生活や社会における音や音楽」の具体を詳細に捉え、その学習方法を明らかにする。さらに、学期試験およびアビトゥア試験の内容・結果を分析し、問題作成者、採点者への評価基準を含めた聞き取り調査を行い、具体的に何がどこまでできるようになっていくのかを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
「生活や社会における音や音楽」に関連したドイツの教育内容の具体を確認するため、ベルリンのギムナジウム教諭M.ヴェルネブルク氏(D-H-Gymnasium)宅を訪問した。「音楽と社会」に関して教科書の分析を中心に進めてきたが、ヴェルネブルク氏が実際に行っている授業および教科書の分析から浮かび上がった疑問点について話を伺った。 1.音楽と政治:対象となる作曲家や政治は、ユダヤ人であるがゆえに「退廃音楽」として激しく迫害を受けたシェーンベルク、メンデルスゾーン等に関して、あるいはポーランド分割に係るワルシャワ蜂起などである。東西に分割されたドイツでは、「国歌」に関しても様々な動きがあり、政治的な思想や背景があることを学ぶ。国際的な動向であった1920~30年代の「労働運動の音楽」「コミュニスト運動の音楽」「抵抗の音楽」「軍隊の音楽」など、これらにはすべて、「プロパガンダの道具として音楽がどのように利用されたか」という問題がテーマとなる。 2.音楽と宣伝:音楽がどのように作られていて宣伝として機能するかについての学習である。購買意欲を掻き立てるために広告代理業(作曲や心理学関係者を含む)が様々な工夫をしている。デパートでよい気分にさせる音楽を流したり、テレビ・コマーシャルの音楽だけで(歌詞はなくとも)人々に商品として思い出させることに成功している。生活上で活用・利用されている音楽の機能について学ぶのである。 3.音楽と映画:例えば、A.ヒッチコックの映画等を用いて、①ある特定のシーンの音楽だけを聴く、②音楽と映像を同時に視聴する、③音楽なしで映像だけを観る。それぞれにおいて、音楽の効果・使用のされ方等が授業のテーマとなる。授業における討議の重要なポイントは、「何故そのように感じるのかについて、音楽の形式的側面とかかわらせて理解を深めていくこと」である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染防止の観点から、研究初年度から授業参観等に支障が出たため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの分析結果をもとに、必要に応じて現地協力者に確認するなどして研究成果報告書をまとめていく。
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