Project/Area Number |
20K03012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09060:Special needs education-related
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
赤尾 依子 関西学院大学, 文学部, 助手 (70756098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 あゆみ 北海道大学, 教育学研究院, 教授 (10304221)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 読字困難 / 語彙 / 語彙指導 / T式ひらがな音読支援 / 認知特性 / 視覚情報処理 / 語彙力 / 読解力 / 聴覚情報処理 / 漢字熟語 / 特別支援教育 / 学習障害 |
Outline of Research at the Start |
読字は文字学習の始まりである。文字学習は読字に始まり読解へと進んでゆく。そして,文字学習は読解を経て,自らの思考を鍛え,表現する能力へとつながってゆく。一文字一文字の読字が出来ても,文章の理解,すなわち読解にはつながらない。我々は,読字困難児の読字に関する研究を進めてゆく中で,「一文字一文字が読めること」と「文章を理解する」ことの間には乖離があることを確認した。文章を理解するためには文章中の語彙を理解していることが重要である。そこで,本研究では,語彙に着目した読字困難児やグレーゾーンの子ども達の読解力の向上を目指す「語彙習得プログラム」の開発を目的として研究を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、読字困難児の読解力の改善を目的とした語彙取得プログラムの開発を目的としている。語彙習得プログラムで使用する語彙指導アプリは使用学年に対応したものを作成した。今年度は「ことばのべんきょう 光村図書版 4年生」をアップルストアより公開した。 読字困難児は認知の偏りがあるため、定型発達児同様の読字発達が困難なケースが認められる。赤尾の過去の事例研究より、読字困難児は認知検査で測定するワーキングメモリや処理速度という認知的側面に問題のあるケースが明らかにされた。読字困難児の読字支援を実施するためにはこれらの認知的側面に負荷をかけない読字方法で学ぶことが望まれる。ワーキングメモリや処理速度に負荷をかけない読字方法としては、文書内の語彙を長期記憶に保存して活用することを目的とした語彙指導が有効である。
2023年度は、T式ひらがな音読支援において小学1年生学年末時点でスクリーニング検査の基準値に満たなかった小学2年生28名を要支援児とし、語彙指導アプリを使用した語彙指導を実施した。教材は「ことばのべんきょう 光村図書版2ねん」であった。1学期に語彙指導を実施し、2学期のはじめに音読確認を行った。その結果、要支援児28名中の3名(男児2名、女児1名)が音読確認の基準値に到達し語彙指導が終了となった。1学期に語彙指導を終了した要支援児を除く25名が2学期の語彙指導対象児となり2学期の語彙指導を実施し、3学期のはじめに音読確認を行った。その結果、3名(男児3名)が音読確認の基準値に到達し語彙指導が終了となった。1年間を通して、28名の要支援児のうち6 名が語彙指導終了となった。語彙指導達成率は21.4%であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
小学1年生時に「T式ひらがな音読支援」の音読確認と音読支援を受けたが反応が不良であった小学2年生を対象として、語彙指導アプリ「ことばのべんきょう 光村図書版2ねん」を使用した語彙指導を実施した。指導の効果について音読確認を実施し検討した結果、語彙指導達成率は21.4%となった。本結果は2023年度の結果であるが、2022年度、2021年度もおおよそ語彙指導達成率は20%前後であった。 音読確認を使用した効果の検討はできており結果も安定しているが、「語彙検査」を使用した効果の検討はできなかった。そのため、現在までの進捗状況はやや遅れていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID‐19の感染拡大後、小学校教諭の働き方改革が進み、「語彙検査」を使用した語彙定着を検討する時間の確保ができなかった。学校教育現場との連携おいての語彙指導効果の確認は、小学1年生時の音読確認で使用した「単音連続読み検査」と「単文音読検査」を使用した。1年生時からの読字の進捗度を検討するためにはこれらの検査は有効である。しかし、語彙指導で指導した語彙の定着については検討することができない。 次年度は、小学校現場では引き続き音読確認で使用した検査で読字の進捗度を検討する。語彙の定着については「語彙検査」を使用する。語彙検査の対象児については、希望者を募り学校教育現場以外で実施する方向で進めたい。
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