特別支援学級に在籍する外国人児童生徒の現状と支援システムに関する研究
Project/Area Number |
20K03043
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09060:Special needs education-related
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
大塚 玲 静岡大学, 教育学部, 教授 (00233172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山元 薫 静岡大学, 教育学部, 准教授 (00755944)
ヤマモト・ルシア エミコ 静岡大学, 教育学部, 教授 (20451495)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 外国人児童生徒 / 特別支援学級 / 日本語指導 / 特別の教育的ニーズ / 特別支援教育 / 外国につながる子ども / 特別な教育課程 |
Outline of Research at the Start |
外国籍児童生徒の増加や、保護者の国際結婚による日本籍の児童生徒の増加等により、2018年度、公立学校に在籍する日本語指導が必要な外国籍並びに日本籍の児童生徒数は合わせて5万人を超えている。その中には、日本語指導が必要なことに加えて、知的障害などの障害があり、特別支援学級において特別な教育課程による教育が望ましい児童生徒が相当数存在することが予想される。本研究では、そうした外国人児童生徒が特別支援学級にどの程度の割合で在籍し、そこでどのような取り組みがなされ、どのような成果や課題があるか、その現状を明らかにするとともに、こうした児童生徒に対する特別支援学級が果たす役割とその課題について考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究① 帰国後の外国人の子どもの保護者からみる日本の特別支援教育: 日本で教育を受けた子どもたちがブラジルに帰国後、どのような教育歴をもち、保護者は日本の特別支援教育をどう評価しているのかを明らかにすることを目的として質問紙調査とインタビュー調査を実施した。ブラジルで帰国後の子どもの支援を行っているコーディネーターに依頼し、調査票の配布を行い、帰国した2家族にオンラインでインタビューを実施した。1つ目の家族からは、障害のある子どもの早期発見・早期療育における情報収集に関する言語面の困難さが明らかになった。例をあげると、医療関係者や保育関係者とのコミュニケーション面での困難さや、特別支援に関する教育サービスへのアクセスへの難しさである。他方の家族からは、両親の母語がポルトガル語でも、子どもの日本語の獲得に問題がない場合は、学習面への遅れは学校では認められないことが分かった。このことから、報道等でみられる外国にルーツのある子どもが特別支援学級へ就学指導される傾向があるといった論説は、慎重に検討する必要があると考えられた。また、保護者からは、日本の教科的内容の指導に加え、規範意識や奉仕精神などの潜在的な教育的内容に対する評価が高いことがうかがえた。 研究② 自治体における外国人児童生徒に対する教育支援体制等に関する聞き取り調査:これまで調査を実施した静岡県内3市に加え、さらに1市の公立小学校・中学校の通常の学級や特別支援学級に在籍する外国人児童生徒の状況や、日本語指導教室の活動状況、さらに外国人児童生徒に対する支援の取り組みの成果と課題について、聞き取り調査を実施した。今後、これらの県内の各市の取組の状況をいくつかの観点から整理し、論文としてまとめる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度は、①自治体における教育支援体制の調査(訪問調査)を計画していた。具体的には、外国人児童生徒が小・中学校に多く在籍する5都府県(愛知県、神奈川県、東京都、静岡県、大阪府を予定)から外国人児童生徒が多い市区町村を1つ選定し、外国人児童生徒に対する教育支援体制や障害のある外国人児童生徒の就学支援の仕組みを把握する目的で教育委員会を対象に訪問調査を実施する予定であった。しかし、コロナウイルス感染の状況により、調査が予定通り進まなかった。 また、②日本において外国人児童生徒とその保護者の支援活動を行っているNPOを通して、外国人保護者に対するアンケート調査を令和3年度に実施し、その結果をもとに令和4年度は、グループインタビューを実施する予定であった。しかし、これもコロナウイルス感染状況により対面でのグループインタビューが困難となり、実施することができなかった。 いずれの調査もコロナウイルス感染の状況が落ち着いたので、令和5年度の実施を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、以下の研究活動を行う予定である。 研究①:自治体における教育支援体制の調査(訪問調査): 外国人児童生徒が小・中学校に多く在籍する5都府県(愛知県、神奈川県、東京都、静岡県、大阪府を予定)から外国人児童生徒が多い市区町村をいくつか選定し、外国人児童生徒に対する教育支援体制や障害のある外国人児童生徒の就学支援の仕組みを把握する目的で教育委員会を対象に訪問調査を実施する。また、日本語指導教室設置校、教育センター、拠点校などの当該自治体の日本語指導に関わる教育機関等についても聞き取り調査を行う。 研究②:外国人児童が在籍する特別支援学級の担任への聞き取り調査: 研究①において教育委員会に対する訪問調査を実施した自治体の小・中学校を対象に郵送による質問紙調査を実施する。特別支援学級担任に対しては、在籍する外国人児童生徒の実態(在籍状況や障害の程度)や教育の取り組みの成果や課題について質問する。また、管理職に対して通常学級に在籍する外国人児童生徒の在籍状況や日本語指導を必要とする児童生徒への支援体制、特別支援学級の活用と連携について質問する。 研究③:外国人児童生徒の保護者に対する日本の教育上の支援についての聞き取り調査: 本調査については、すでに令和3年度より取り組んでいるものである。令和3年度に実施したアンケート調査の結果をもとに、令和5年度はグループインタビューを実施し、日本に滞在する外国人児童生徒の保護者が日本の教育上の支援についてどのように感じているかを検討する予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)