高校情報科教員を対象とする実践的で継続的な研修環境の構築
Project/Area Number |
20K03149
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09070:Educational technology-related
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Research Institution | Taisei Gakuin University |
Principal Investigator |
西野 和典 太成学院大学, 経営学部, 教授 (70330157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅羽 修丈 北九州市立大学, 基盤教育センター, 教授 (50458105)
大西 淑雅 九州工業大学, 情報基盤センター, 准教授 (50213806)
尋木 信一 有明工業高等専門学校, 創造工学科, 教授 (00353342)
山口 真之介 九州工業大学, 学習教育センター, 助教 (00380733)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 情報科教育 / 教員研修 / 授業設計 / 支援システム / 授業評価 |
Outline of Research at the Start |
高等学校の情報科教員の授業力向上を目的としたオンライン研修環境を構築する。研修対象者は、授業設計・授業評価システム及び熟達した教員から支援を受けながら、授業の設計、実施、評価を繰り返し行うことができる実践的で継続的な研修環境を実現する。熟達した教員による授業評価を経て、教材、指導案、授業動画をデーベースに蓄積することによって事例を増やし、研修環境を充実させて情報科教員の研修や教員養成で活用する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究全体の目的は、高校情報科の教員が、オンデマンドの環境で実践的かつ継続的な研修を受けることができるように、授業設計・評価支援機能を備えた研修支援システムを構築することである。研修受講者は、インストラクショナル・デザイン(以下、IDと記す)の手法やリフレクティブ思考を伴う授業設計プロセスを実際に体験しながら、指導計画を立案し、授業を実施し、振り返り、ベテラン教員あるいは同僚からの授業評価や助言を受け、指導計画や教材等の改善を行う。 2020年度は、どのように研修を行うかを含め、情報科教員の研修システム全体の設計を行い、2021年度は、授業設計を支援するシステム(以下、授業設計支援システムと記す)の開発を始めた。同時に、授業設計で参照する教材(学習指導案を含む)データベースの登録方法について検討した。参照教材については広く、他教科(例えば国語や数学)との連携の視点も入れながら検討した。 2022年度は、授業設計で参照する教材のメタデータのデータベース登録機能を、授業設計支援システムに組み込んだ。システムの実装を行いつつ、教材メタデータのデータベースへの登録を進めた。授業設計支援システムの機能については、高校の現職情報科教員の協力を得て行い、研修者がIDや他者との協議(Q&Aの過程)で進める研修のプロセスを経験できるように設計を工夫した。また、プロトタイプのシステムを製作し、研究分担者が勤務する大学の教職課程の授業で、模擬授業のための授業設計(学習指導案の作成等)の改善のためのツールとして試用し、システムの評価を得た。(1)学習指導要領とのつながりを示す機能、(2)ブロック単位で入力する授業展開支援機能、(3)ガニェの9つの教授事象(ID理論の1手法)を選択して入力する支援機能について高い評価を得た。これらの研究成果は、日本情報科教育学会の学会誌や研究会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度は、4月の研究開始当初から、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、研究活動がかなり制限を受けてきた。研究代表者および研究分担者のいずれも、オンライン授業の準備や実施等に多くの時間を割かざるを得ず、本科研の課題研究に専念できる時間を確保することが難しい状況が続いた。また、研究代表者の所属が別の大学に変わり、研究環境の整備にかなりの時間を費やすことになり、本研究をスタートさせる時期が予定より遅れた。2020年度の後期に入り、本科研のメンバーとオンラインでの打ち合わせができるようになってからは、徐々に研究を進めることができるようになった。 2021年度に入ってもコロナ禍は続いたが、オンラインでの研究打合せを行いながら、 2020年度にできなかった授業設計支援システムの設計を終えるとともに、教育システム構築の専門家の協力を得て、授業設計支援システムの実装に取りかかった。また、教材等メタデータ収集・登録用アプリケーションソフトウェア(以下、教材メタデータ登録システム)を専門家の協力を得て作成し、現職の高等学校情報科のベテラン教員の協力を得て、情報科の学習活動に有用な教材や学習指導案の作成を行うこともできた。 2022年度に入り、教材等メタデータ登録システムを利用してデータベースへの教材登録は進めたが、開発したシステムを学校の教員研修で用いることは、コロナ感染拡大で難しい状況であった。そのため、研究期間を1年間延長して、教員研修への実践は2023年度に行うこととして、2022年度は、大学の教職課程の教科教育学(情報)の授業で、教職を目指す学生を対象に開発したシステムを試用した。 しかしながら、現職の情報科教員による研修での活用や評価が残されているので、2022年度は、(2)「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で計画した情報科教員のオンラインによる研修環境構築のうち、授業設計支援システムについては、2021年度~2022年度の研究でほぼ完成させ、2022年度後半に、大学の教職課程の授業で試用した。 この授業設計支援システムは、試用の際に、いくつかの不具合や改善点が見えてきたため、2023年度の前半は、教育システム構築の専門家の協力を得ながら、授業設計支援システムの改善・再構築を行う。その際、授業設計支援システムの改善事項として、既存の学習指導案を他の研修者(情報科教員)と共有し、新たな学習指導案作成に活用するために、既存の学習指導案の一部(授業での学習のまとまり)を利用できるよう、システムおよび運用の改善を試みる。 さらに、2023年度は、これまでにまだ開発を行っていなかった授業評価支援システムを開発する。研修に参加する教員は、情報科の授業のシーンを撮影・公開し、熟達した教員から助言を受けるだけでなく、研修者同士で答え合うQ&Aの機能(2022年度に機能の有効性を研究)や、互いにディスカッションできる環境を構築する。熟達教員からの助言やディスカッションの成果で、学習指導案や教材を改善してシステムに再登録・公開して、他の情報科の授業実践に利用できるようにする。また、本研修システムを高等学校現場の情報科教員の協力を得て、時間をかけて実際に継続使用してもらい、改善点があればシステムを改善する。これらの研究成果は、関係する学会(日本情報科教育学会)等の研究会で発表する。 本科研費の研究で開発した授業設計・評価支援システムが、科研の研究期間終了後も、継続的して実践の場で運用することが可能になるよう、関係する組織や民間企業に働きかけ、協力を得てシステムの運用を継続できるような環境整備に努める。
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Report
(3 results)
Research Products
(10 results)
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[Book] 情報科教育法 これからの情報科教育2022
Author(s)
鹿野利春, 高橋参吉, 西野和典, 鷹岡亮, 森本康彦, 稲川孝司, 大石智弘, 齋藤実, 佐藤万寿美
Total Pages
199
Publisher
実教出版
ISBN
9784407355215
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