展望的記憶課題の意図存在要素における加齢変化の実験的検討
Project/Area Number |
20K03343
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10020:Educational psychology-related
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
森田 泰介 東京理科大学, 教養教育研究院神楽坂キャンパス教養部, 教授 (10425142)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 記憶 / 展望的記憶 / 行為のし忘れ / 意図状態 / 加齢 / し忘れ / 意図 / 実験 |
Outline of Research at the Start |
返事のし忘れ,薬の飲み忘れ,ストーブの消し忘れ,家賃の払い忘れ,鍵の掛け忘れ,傘の置き忘れ,書類の出し忘れなど,未来にしようと思っていることをし忘れてしまうと,私たちの安全や健康,周囲の方々との信頼関係や自立した生活が脅かされてしまいます。 本研究では,そのようなし忘れを防止することにつながる知見を得ることを目的とします。 具体的には,予定を思い出したときに経験される,“何かしなければならない感じ"に着目し,その“感じ"の強さを決めているものは何か,その“感じ"にはどんな役割があるのか,その“感じ"が発生するメカニズムはどのようなものなのかを,実験や調査を通して明らかにします。
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Outline of Annual Research Achievements |
未来において実行すべき行為を記憶し、それを適切な時機に想起・実行することが求められる課題のことを展望的記憶課題と呼ぶ。食事を終えたら服薬をすること、装置の点検を終えたら安全装置を作動させること、期限までに書類を提出すること、午後7時になったら家族を駅に迎えにいくこと等が展望的記憶課題の例である。展望的記憶課題を成功させる能力は、我々が安全で健康な生活を周囲との信頼関係を築きながら自立的に営む際に必要となるものであることから、その能力の発揮を支える認知過程を明らかにし、展望的記憶課題の失敗(し忘れ)の防止に資する知見を得ることは重要な研究課題である。本研究では、展望的記憶課題の成功・失敗に関与するメカニズムとして意図存在要素に着目し、その特性の実証的解明と理論的検討を行うことを目的に研究を進めている。2022年度にも前年度にひきつづき新型コロナウイルス感染症拡大リスク低減を重視してオンライン事態における実験を行い、展望的記憶課題の意図存在要素の規定因やその機能について検討した。その結果、意図存在要素の内実が加齢によって異なることや、意図存在要素のあり方によって展望的記憶課題についての意図的想起および無意図的想起を経験する程度が異なること等が示唆された。本研究により得られた知見は日本心理学会第86回大会や日本パーソナリティ心理学会第31回大会、63rd Annual Meeting of the Psychonomic Societyで発表され、また、知見をまとめた論文が現在印刷中となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
展望的記憶課題の意図存在要素の規定因や機能、特に加齢や無意図的思考・無意図的想起、個人特性との関連の一端が明らかにされるなど、一定の成果が得られている。その成果は国際学会・国内学会において発表され、また成果をまとめた論文が印刷中となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
展望的記憶課題の意図存在要素を多面的に測定する手法が開発され、それを用いて意図存在要素の加齢変化や意図的・無意図的想起との関わりの一端が明らかにされてきたことから、今後はひきつづき新たな手法を用いて意図存在要素の特性の解明に取り組む。また、これまで得られたデータを包括的に説明可能なモデルを構築するための理論的検討を進めていく。
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Report
(3 results)
Research Products
(13 results)