新しい大規模公的テストに有効な教育測定と教育診断のための統計モデルの開発
Project/Area Number |
20K03383
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10020:Educational psychology-related
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Research Institution | The National Center for University Entrance Examinations |
Principal Investigator |
荘島 宏二郎 独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 教授 (50360706)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 潜在ランク理論 / テストデータ解析 / 大学入学共通テスト / test data / Bayesian network model / local dependence / biclustering / latent rank / latent rank theory / latent class analysis / local independence / EM algorithm / latent rank analysis / bicluster network model / test theory |
Outline of Research at the Start |
大学入試センター試験が終わり、第1回目の大学入学共通テストが2021年1月に実施される。共通テストでは、センター試験よりも思考力・判断力を測定する項目が大幅に強化された。テストデータを分析する多くの手法(項目反応理論や潜在ランク理論)は、項目間の局所独立性を前提としている。しかし、共通テストでは、項目間の関連性が強まり、項目間の局所独立性を十分に担保できないようなテスト構造をしている可能性がある。本研究では、項目間の局所従属性を考慮した新しい分析手法を開発する。その統計モデルは、バイクラスタリングとベイジアンネットワークモデルのハイブリッドモデルであり、既存の統計モデルにはないモデルである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究成果の1つの区切りとなる外国語書籍(タイトル: Test Data Engineering, 出版社: Springer)を出版することができた。そこでは、2値(正誤)のテストデータから、どのように情報を抽出し、可視化(知識化)していくことができるのかについて広範に記述することができた。特に、潜在ランク理論(latent rank theory, LRT)、バイクラスタリング、ベイジアンネットワークモデル(Bayesian network model, BNM)、LRTとBNMを組み合わせたモデルなど、多くのモデルを取り上げることができた。 特に、本研究では、教育診断のための統計分析モデルの開発を目的の1つとして掲げているが、そのような教育診断を行うためのモデルをいくつか開発し、書籍の中で説明することができた。 また本研究の副次的な成果として、大学入学共通テストの得点調整の方法の改良に資する研究を行うことができた。大学入学共通テストでは、令和7年度から既存の得点調整方法を修正する予定である。これまで科目の難易差について平均点差に着目していたが、令和7年度以降はスタナイン区分点差に注目するようルール改正を行い、プレス発表を行った。本研究では、これに関連して、スタナイン区分点の標準誤差を検討する研究を行った。そこでは、カーネル分位点差縮小法とブートストラップ法を用いることで、真のスタナイン区分点の標準誤差に迫ることができるのではないかと示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
進捗状況はおおむね順調である。本研究の研究期間の前半では、統計モデルの開発という、理論的な研究に集中する予定であり、順調に行うことができ、書籍も上梓することができた。 特に、当初の予定ではなかったが、棘状化した(ギザギザした)分布の予測を行うモデルを開発することができた。共通テストでは、得点分布がしばしば棘状化する。項目配点の組み合わせ上取りえない合計点がある。たとえば、すべての項目得点が2点以上の時、99点などは取りえない。したがって、テスト得点は通常棘状化する。しかし、そのような棘状化した場合でも得点分布を精確に表現することができる数式の開発を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定では、本研究期間の後半は、ソフトウェアの開発を念頭においていた。一部、ソフトウェアの開発は始めており、研究者のHPにおいてすでに公開しているものもある。予定通り、来年度からは、ソフトウェア開発に注力してまいりたい。
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Report
(3 results)
Research Products
(18 results)