Project/Area Number |
20K03396
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10030:Clinical psychology-related
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Research Institution | Ibaraki Christian University |
Principal Investigator |
國見 充展 茨城キリスト教大学, 生活科学部, 准教授 (70460384)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 軽度認知障害 / スクリーニング / 神経心理学検査 / 脳画像検査 / 高齢者 / 眼球運動計測 / 経度認知障害 / 認知機能 / 加齢 |
Outline of Research at the Start |
臨床場面への応用を想定した眼球運動計測を用いた認知機能評価パラダイム(Eye-tracking-based assessment of cognitive function: ETAC)の開発を試みる。ETAC課題遂行中の眼球運動測定を20-70代の実験参加者で実施し,ETACの健常加齢モデル(認知機能のどの機能がどのタイミングで低下するか)を作成する。眼球運動計測は安価,安全,操作が簡便であり,診察室外で使用できる。そのため,ETACは認知機能に不安を持つ高齢者に対する来院のきっかけにもなりやすい。認知機能の疾患の早期発見を最終的な目標として,要介護者の生活の質の向上につなげていきたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、認知機能の加齢に伴う変化を理解し、軽度認知障害の簡易なスクリーニング方法として、眼球運動に基づく認知機能検査プロトコル(ETAC; Eye tracking-based assessment of cognitive function)の開発に取り組んでいる。予備調査1では、20代と40代の眼球運動を比較し(Kunimi, 2023)、40代の参加者が視線の「さまよい」が顕著であることや指示表示後の現在地の確認が困難であることが示された。本結果は国際学会45th European Conference on Visual Perception(ECVP2024)で「Confirmation of required specifications for cognitive function tests based on eye-movement-measuring devices」の発表を行った。 予備調査2では、20代の男女21名が眼球運動計測装置を装着しETAC課題を遂行し、課題の切り替えと同一課題の繰り返しにおける反応時間の差からスイッチングコストを算出し、特に非優位課題の繰り返し試行が遅延することが観察された(國見ら,2023)。これらの結果は、加齢による実行機能の低下が認知機能評価に影響を及ぼす可能性を示している。本結果は北陸心理学会第58回大会で「非等価課題間タスクスイッチにおける反応時間の非対称性」の発表も行った。
1) Kunimi, M. (2023). Confirmation of required specifications for cognitive function tests based on eye-movement-measuring devices. Perception 52 suppl, European Conference on Visual Perception proceeding, pp21. 2) 國見充展・佐々木葉奈・岩﨑眞和. (2023). 非等価課題間タスクスイッチにおける反応時間の非対称性. 心理学の諸領域12.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の進捗として、23年度までに若年者45名からのデータ収集が完了しており、そのデータは現在解析段階にある。これにより、若年層の認知機能に関する豊富な情報が蓄積され、ETACプロトコルの有効性と精度を評価するための基礎データとなっている。解析作業には統計ソフトウェアを使用し、眼球運動データからの洞察を抽出する計画である。 一方で、新型コロナウイルス感染症の流行による影響を受け、特に高齢者グループのデータ収集が大きく遅れている。この遅れを解消するため、24年度には高齢者からのデータ収集を積極的に推進し、若年者データとの比較分析を行う予定である。この分析には、加齢に伴う認知機能の変化を明確に示すことが目的であり、ETACの検査プロトコルの年齢による適用性の検証が可能になる。 さらに、データ解析の進展に伴い、次の国際学会や国内学会での発表を計画している。これには、解析結果の詳細な発表だけでなく、ETACプロトコルの改良点や将来の研究方向性についての議論も含まれることになる。これらの学術的な成果の発表は、本研究の国際的な認知と影響をさらに高めることが期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
ETACの基本プロトコルの開発、妥当性の検討、若年者データの取得はすでに完了しているため、24年度は特に高齢者データの取得とその解析に重点を置く。新型コロナウイルス感染症の影響で遅れが生じていた高齢者グループのデータ収集を積極的に進め、ETACプロトコルの加齢に伴う適用性や認知機能の詳細な変化を解明する。高齢者データの取得にあたっては、特定の地域や集団に偏らないよう配慮することで、多様な背景を持つ個体群のデータを集めることで、より一層の妥当性と信頼性をETACプロトコルに与えることを目指す。 高齢者データの解析には、先進的な統計手法を用い、認知機能の微細な変化を捉えることができるよう工夫する。また、解析結果を基に、認知機能の加齢に伴う変化に特に影響を及ぼす要因を特定し、それらを公表することで、認知症予防や健康寿命の延伸に寄与する知見を提供する。 さらに、国内外の学会への積極的な参加と、権威ある学術誌への論文投稿を通じて、24年度の研究成果を広く公開する。これにより、ETACプロトコルの国際的な評価と普及を図り、認知機能評価の新たな基準としての位置づけを強化する。また、学会発表や論文の投稿では、ETACプロトコルの実用性や具体的なスクリーニング方法についても詳細に説明し、実際の臨床現場や日常生活での応用可能性を示す。
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