心理的危機のアート表現と展示プログラムによる若年者自殺予防対策
Project/Area Number |
20K03457
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10030:Clinical psychology-related
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大塚 尚 東京大学, 相談支援研究開発センター, 助教 (60735075)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
穴水 幸子 東京都立大学, 人文科学研究科, 客員研究員 (60255544)
古川 真由美 東京大学, 相談支援研究開発センター, 特任専門員 (80747519)
高野 明 東京大学, 相談支援研究開発センター, 教授 (50400445)
藤原 祥子 東京大学, 相談支援研究開発センター, 助教 (80632405)
榎本 眞理子 東京大学, 相談支援研究開発センター, 講師 (40632394)
伊藤 理紗 東京大学, 相談支援研究開発センター, 助教 (10832983)
鬼塚 淳子 東京大学, 相談支援研究開発センター, 特任助教 (90585613)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
|
Keywords | アート / 表現 / グループ / 自殺対策 / 青年 / COVID-19 / ワークショップ / 自殺予防 / 心理的危機 / プログラム |
Outline of Research at the Start |
本研究では心理的危機を経験した青年によるアート表現グループの実施と,その展示プログラムの2つの研究を実施していく。研究概要は以下の通りである。 2020年度:予備調査の分析と国内外の自殺対策専門家の訪問調査 2021年度:アート表現グループの実施(研究1) 2022年度:展示プログラムの実施(研究2) 2023年度:成果公表と展示プログラムの一般公開
|
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度の研究成果は大きく分けて4つある。 1つ目は、アートワークショップの実施である。まず2023年8月から9月に、『デッサンによる自己理解と自己表現』を行い、全5回延べ30名超の大学生・大学院生が参加した。結果として表現活動により自己理解が深まったなどの回答が得られた。さらに、2023年12月に、『現代日本画家によるインスタレーション』を行った。学生や一般市民合計100名超が制作過程や作品鑑賞に参加し、心身の健康や人間の実存における表現や遊びの意義について、多くの好意的な自由記述式回答が得られた。この制作過程の動画は、東京大学相談支援研究開発センターのウェブサイト上で一般向けに広く公開した。この2つの研究成果は、2024年度中に第43回日本心理臨床学会と日本精神神経学会多職種連携フォーラムで報告予定である。 2つ目は、学術雑誌での成果公表である。先行調査として行ったアート表現グループの事例研究を、2023年7月に箱庭療法学研究36(1)にて公刊した。 3つ目は、一般向け書籍での成果公表である。先行調査のグループの成果と、インタビュー調査を行ったアート展『クロマニンゲン展』の取組みをまとめ、共著『描く、観る、演じる アートの力』(三元社)を公刊した。また、この内容を2023年12月に一般市民向けの公開講座『東京大学高度教養次世代セミナー』で発表した。 4つ目は、関連団体との連携や活動の視察調査である。『自殺予防と自死遺族支援・調査研究研修センター』などの関連団体と定期的に会合を行い、自殺対策やアート活用の課題を検証した。加えて、『第13回クロマニンゲン展』への訪問調査と、障害者福祉にアートを用いた実践を行っている『工房まる』の視察を行い、関係者との意見交換を通じて今後の研究方針と課題の共有を図った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の感染拡大が続いた影響により、2022年度まで大学内での対面参集での活動が制限される状況が続いたため、研究計画の全体的な進捗が後ろ倒しとなっている。これまでの成果報告や、関連団体の取組みを通じた課題検証、複数のワークショップの実施、新たに追加したいくつかの研究の進捗状況と合わせ、「やや遅れている」と判断する。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は以下の計画を進めていくことを予定している。
・COVID-19感染拡大と大学内での活動制限の影響に伴う研究計画の全体的な遅れのため、研究期間を1年間延長して2024年度も引き続き研究を遂行していく。 ・当初予定していたアート表現グループについては、2024年6月頃から約半年間の計画で実施できるよう、所属機関の倫理審査申請を終え、準備を進めている。今後参加者を募集し、学生相談所利用者を対象とした継続グループを実施し、アート表現や他者との創造活動が、自己感や心身の状態に及ぼす影響を明らかにしていく。 ・アート表現グループの実施後、表現された作品の展示を実施し、作品鑑賞による鑑賞者の情動体験への影響等を検証することを予定している。 ・2023年度に実施したアート表現ワークショップの研究成果を、2024年度中に日本心理臨床学会の自主シンポジウムや日本精神神経学会の多職種連携フォーラム等で公表することを予定している。
|
Report
(4 results)
Research Products
(7 results)