Project/Area Number |
20K03484
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10040:Experimental psychology-related
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
日高 聡太 立教大学, 現代心理学部, 教授 (40581161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺本 渉 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 教授 (30509089)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | 感覚間相互作用 / 瞬目条件づけ / 瞬目反射 / 感覚間統合 / 時間処理 |
Outline of Research at the Start |
ヒトは,絶え間なく提示される光や音などの複数の感覚情報に対して,時間的な一致(同時性)を利用して対応関係を見いだしている。どのような時間幅を持って同時性を知覚しているかを検討することはヒトが外界を認識するプロセスを理解する上で重要であるが,これまでの研究は主観的な判断指標(提示された情報が同時か否かなど)に基づいており,知覚情報処理特性が正確に把握されていない可能性がある。本研究では,生体の反射(瞬目)という極めて低次の無意識的な応答を利用し,複数感覚情報の同時性に関する知覚処理を網羅的に検討し,ヒトがこれまで考えられていたよりも精緻な時間処理を行っていることを実証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,生体の反射(瞬目)という極めて低次の無意識的な応答を利用し,複数感覚情報の同時性に関する知覚処理を網羅的に検討することである。多感覚情報の対応関係を決定するため,同時性は必要不可欠な情報である。これまでの研究では,言語報告やボタン押しなどで主観的な報告に基づいていたため,「この場面では同時に感じるはずだ」など,判断や応答のバイアスの影響が含まれていた。本研究では,判断や応答のバイアスが介在しないヒトの生体反射である瞬目反射と古典的条件づけ手法を組み合わせた新たな実験手法を用いることで,複数感覚情報の時間処理に関する低次の精緻な知覚処理の存在を実証する。 本研究において瞬目条件づけを計測するための実験環境の整備を行うことが必須である。昨年度,当初予定していた眼球運動測定カメラを用いた計測では微細な瞬目反射を捉えることが出来ないことが判明した。今年度は,共同研究者の協力を得ながら,脳波計測用の電極を用いることで微細な瞬目応答を捉える環境を構築した。 さらに,複数名を対象として予備実験を行った。当初の予定では,応答の指標として瞬目回数を用いる予定であった。しかし予備実験の結果,生体ノイズの影響により瞬目回数は信頼できる指標とならないことが判明した。検討の結果,瞬目強度を指標とすることで,想定していた応答関数が得られることを確認した。 コロナ禍により研究の進捗の大幅な遅延が生じていたが,今年度ようやく研究環境の整備が整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究3年目(2022年度)の目標は,整備された環境のもと,視覚(光)と聴覚(音)の組み合わせにおける同時性知覚についてより複雑な刺激環境において計測を実施する予定であった。しかし,研究期間開始直後(2020年度)からの新型コロナウィルスの感染拡大による甚大な影響のなかで,研究を進捗することに困難を極めていた。その結果,計画通りに研究を進捗することが出来なかった。 今年度,ようやく研究環境を整備するに至った。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度ようやく研究環境の整備が整ったため、研究期間を延長し次年度に共同研究者と協同して実験を複数実施し,データ収集を大きく進展させる予定である。
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