Project/Area Number |
20K03517
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 11010:Algebra-related
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
内田 幸寛 東京都立大学, 理学研究科, 准教授 (90533258)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 矩形求積公式 / 区間デザイン / Somos数列 / 超楕円曲線 / 直交多項式 / 局所大域性 / 双接線 / 代数曲線 / ヤコビ多様体 / 不定方程式 / 暗号 |
Outline of Research at the Start |
代数曲線の有理点を決定する問題は,不定方程式の解を求める問題とも関連した重要な問題である.その具体的な計算については,現在でも多くの困難があり重要な研究課題の一つである. 一方,有限体上定義された代数曲線やそのヤコビ多様体は,楕円曲線暗号に代表されるように,暗号理論などに応用され,応用上ますますその重要性を増してきている. 本研究では,代数曲線の数論について計算機を用いて具体的に計算するという観点から研究を行う.
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの矩形求積公式(quadrature formula)に関連する不定方程式の共同研究に引き続いて、有理的区間デザインの構成に関する共同研究を行った。重み関数または測度が与えられたとき、それらに関する多項式の積分値を、有限個の点(ノード)における多項式の値の線形和で表す公式を矩形求積公式という。特に、この線形和の係数がすべて等しい場合、Chebyshev型矩形求積公式と呼ばれる。また、この公式のノードの集合は区間デザインとも呼ばれる。本研究では、ノードがすべて有理数である区間デザイン(有理的区間デザイン)の構成について研究を行った。特に、重み関数が第1種Chebyshev多項式に対応する場合に、ノードの個数に応じて、有理的区間デザインの非存在定理や、存在する場合の具体的な構成法を与えた。非存在定理の証明では整数論的な手法を用いており、具体的な構成では、ある代数曲線の媒介変数表示と計算機による探索を用いている。この内容については学会等で発表しており、論文投稿に向けて準備中である。 また、Somos数列と呼ばれる、双線形漸化式で定義される数列の数論的性質に関する共同研究を、昨年度までに引き続いて行った。本研究では、種数2の超楕円曲線から定まる、Cantorの等分多項式の値がなすSomos数列について、素数を法とした周期性について研究し、もとの超楕円曲線のJacobi多様体の点の位数との関係を得ている。この結果について講演するとともに、論文としてまとめ、現在投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では、代数曲線の数論について計算機を用いて具体的に計算するという観点から研究を行う計画である。 有理的区間デザインに関する共同研究においては、第1種Chebyshev多項式に対応する重み関数に対して、有理的区間デザインの非存在定理や具体的構成法を得た。これは代数曲線に関する議論や計算機による探索を用いており、本研究課題の計画に沿って得られた重要な結果である。 Somos数列に関する共同研究についても、計算機の援用により数列の周期性を観察するとともに、超楕円曲線のJacobi多様体の数論に関する結果を用いてSomos数列の数論的性質を得たものであり、本研究課題で期待している成果である。 以上より、本研究課題は順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、計算機を用いて具体的に計算するという観点から、代数曲線の数論を中心に研究を行う。 有理的区間デザインに関する共同研究について、第1種Chebyshev多項式に対応する場合以外は有理的区間デザインの存在がよく分かっていないものも多い。この場合も含め、より詳細に研究を行い、研究成果を学会等で発表し、論文として投稿することを目指す。 また、Somos数列に関連する共同研究についても、Cantorの等分多項式で表せない数列の性質など、解明されていないことが残されているため、引き続き研究を行いたい。
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