ゼータ関数を用いた符号と不変式および暗号の数論的構造の研究
Project/Area Number |
20K03524
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 11010:Algebra-related
|
Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
知念 宏司 近畿大学, 理工学部, 教授 (30419486)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
|
Keywords | ゼータ関数 / 線型符号 / リーマン予想 / 不変式 / 不変式論 / 整数論 / 暗号 |
Outline of Research at the Start |
誤り訂正符号は、デジタル方式で情報を伝える際に生じる誤りを、できるだけ正しく訂正する機構である。暗号は、情報を他人に知られないようにするための仕組みで、ともに現代社会に不可欠なものである。いずれの技術も、基礎には数学理論があり、純粋数学的手法により知見を広げることは将来の技術革新のためにも重要である。本研究は、整数論の研究対象であるゼータ関数を軸に、これらの理論の発展に寄与することを目指している。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、線型符号のゼータ関数に関する研究を引き続き行なった。これは、1999 年に Duursma によって導入された比較的新しいゼータ関数であり、符号の重み多項式の母関数になっているようなものである。特に自己双対符号の場合に、よい符号はリーマン予想を満たすか、という問いが提唱され、応用、整数論両面で興味が持たれてきた歴史がある。具体的には、extremal と呼ばれる一連の自己双対符号はリーマン予想を満たすか、という問題である。これは一部の系列を除き、完全には解決されていない。さらに研究代表者らによって、必ずしも線型符号と関連をもたない不変式にも拡張され、さまざまな性質が明らかにされてきた。その中で興味深い事実として、符号と関連をもたない不変式の集合には、extremal と呼んでよい不変式で、リーマン予想を満たさないものがある、といったことが挙げられる(Chinen, 2019)。一方で、自己双対符号の重み多項式にきわめて近い不変式においては、実在の符号の場合と類似の性質が証明されてもいる(Chinen, 2020)。直近の研究代表者らの結果として、種数が3および4の自己双対重み多項式の場合に、そのゼータ関数がリーマン予想を満たすための一つの必要十分条件を導出したものがある(Chinen-Imamura, 2021)。これには種数が3未満の場合の先行研究があり(Nishimura, 2008)、それの拡張となっている。しかし、先行研究とは手法が異なっており、よりすっきりと整理された形で証明が可能であった。本年度は、この方向のさらなる拡張を試みるための考察を行なった。具体的成果はまだであるが、一定の結果を得られるのではないかという見通しを得ることができている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
直近の研究成果のさらなる拡張について考察し、結果が得られるのではないかという見通しを立てることができたため、おおむね順調に進展していると判断できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度に行なった研究によって、発表済みの研究をさらに進められる可能性が出ており、今後この問題の解決を目指して推進していく予定である。障害が発生した場合には数値計算などの手法によって結果を予想することを考えたい。
|
Report
(3 results)
Research Products
(3 results)