Project/Area Number |
20K03567
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 11010:Algebra-related
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
寺杣 友秀 法政大学, 理工学部, 教授 (50192654)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | モチーフ / 超幾何関数 / 多重ゼータ値 / 楕円曲線 / モジュライ / 周期積分 / 代数的サイクル / ホッジ予想 / モジュライ空間 |
Outline of Research at the Start |
代数多様体の周期積分は楕円関数や超幾何関数ともかかわりが深く、これら特殊関数の性質は常に代数多様体が介在してきた。これらの性質は代数多様体の幾何学ととらえられ、「周期」の性質はモチーフに由来するものが多く、共通する構造を用いて統一的に扱うことができる。代数的サイクルに由来し、周期積分の性質、例えば多重ゼータ値、アーベル多様体の周期の数論的、トレリ逆問題のテータ関数による表示、超幾何関数に関する等式などを本研究では扱う。また、混合テイト・モチーフ、混合楕円モチーフとその退化についてホップ代数を用いて研究する。種々のバー複体や淡中圏を周期積分に対して応用し、解決の手がかりとする。
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Outline of Annual Research Achievements |
多重ゼータ値における深さフィルトレーションと、モジュライ空間上の混合楕円モチーフの退化の関係について引き続き研究をおこなった。新潟代数シンポジウム(2023年12月6日から8日)において「Depth filtration of MZV and degeneration of elliptic curves」という題目でこれまでに分かっていることについての講演を行った。このシンポジウムで問題としていた、混合楕円モチーフのホップ代数の骨組み部分が有理Kπ1性を持つかどうか、という研究を開始した。骨組み部分の定義については昨年度にわかった非常に性質のよいフィルトレーションが用いられる。有理Kπ1性については、これまで超平面配置に関連する多様体を除いてはあまり研究されていなかった。リーマン面の基本群の構造はここで問題にしている場合と似ており、より簡単であるので、手始めとしてその場合の有理Kπ1性を考察した。実際にこの場合についてはホモトピー作用素を構成することができ、有理Kπ1性を証明することに成功した。 また松本氏、小原氏、金子氏とともにアッペルの超幾何関数という非常に特徴的な超幾何関数の多変数への一般化を系統的に研究した。研究で取り扱うものは、特異集合の記述、解空間の次元に見合うだけの超幾何関数の構成、特異集合の補集合の基本群の性質、モノドロミーの性質、ツイストコホモロジーの構成と消滅サイクルの構成およびその記述である。すでに大まかの部分はできているが、細部のチェックをしており現在も進行中である。 超幾何パラメータにおける特異集合の記述については特性多様体を定義するイデアルのシジジーを解明することが重要課題となるが、ここでは多変数差分商が有効に使われ、被約なイデアルについての完備化を用いることによりきれいな記述ができることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究については感染症の影響で研究連絡が滞っていたが、その後の進度としては、おおむね順調に進展しており、現在その結果をまとめている最中である。
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Strategy for Future Research Activity |
超幾何関数に関する研究においては、パフ形式を記述するための道具を整備することが課題である。すでにシジジーの様子の根本的な部分が確定しており、方針としてはこれをどのように表現するかにかかっている。ラグランジュの補完公式が種々の公式の証明の核心部分となるが、上に書いた完備化における逆元の公式が補完公式から得られる。ツイストコホモロジーと消滅サイクルの構成については、モース指数がちょうど中間次元となる実サイクルを作ることが証明のカギとなる。消滅サイクルは超幾何関数の積分表示に現れる多様体の帰納法的構造を用いることで構成できる。 楕円モチーフの骨組み部分についての有理Kπ1性の研究においては、有理基本群の関係式が問題となる。ここに現れるモジュラー多項式の係数が問題をより複雑化しているのだが、この係数を解明することは避けられず、これが今後の目標となる。別の問題として、開楕円曲線のホップ代数からくる混合楕円モチーフがテータシンボルのみで高次拡大が記述できるかどうかというものがあり、これがわかれば種々の問題は単純化される。これについては、いくつかわかっていることがあるのでそれををまとめる予定である。
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