Project/Area Number |
20K03579
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 11020:Geometry-related
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
玉木 大 信州大学, 学術研究院理学系, 教授 (10252058)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | cotorsion pair / Hopf algebra / algebraic K-theory / model category |
Outline of Research at the Start |
本研究は, Khovanov により提案され, Qiらにより近年活発に研究されている「ホプフォロジカル代数」という Hopf 代数を用いたホモロジー代数の一般化について, ホモトピー論の視点から, その基礎付けを与えることを目的とする。 具体的には, 有限次元Hopf代数Hと左H加群代数Aに対し, H同変左A加群の圏に適切なモデル圏の構造を導入する。それにより, 代数的K理論や巡回ホモロジーなどの不変量を定義し, その性質を調べる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は, 通常のチェイン複体を用いたホモロジー代数を, 有限次元 Hopf 代数 H 上の加群を用いたものに拡張することである。 通常のホモロジー代数における微分次数付き代数や微分次数付き圏に対応するものは, H-加群代数やH-加群圏であるが, Khovanov の方法による三角圏の構成では, 次数の付いていない Hopf 代数やその上の加群代数が用いられている。ホプフォロジカル代数に次数を導入する方法として, Farinati による無限巡回群の群環とのスマッシュ積を取る方法があるが, その結果得られた Hopf 代数は無限次元になってしまう。一方, 最近 Holm と Jorgensen により導入されたホモロジー代数のもう一つの一般化である Q-shaped ホモロジー代数では, 自然に次数が入る。しかしながら, Q-shaped ホモロジー代数の枠組みでは微分次数付き代数のような, 積を持つ構造は扱えない。 そこで, 2023年度は, Q-shaped ホモロジー代数を拡張することを研究した。そのために, decomposable category の概念を導入し, decomposable category 上の加群の圏がモノイダル圏になることを確かめた。これにより微分次数付き代数や Kapranov の N-微分次数付き代数がこの枠組みで扱えることを確認した。 また, 当初の2023年度の計画であった Hopf 巡回ホモロジーを調べるために, Kaygun と Khalkhali の定義を見直し, Hopf 代数の cogwise 作用を持つ巡回加群の概念を導入し, それを用いて Hopf 巡回ホモロジーの定義を拡張した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請時の研究計画書では, 5つの目標が挙げられていたが, そのためにはホモトピー群の計算方法が重要であること気付き, 2023年度はホモトピー群の Toda bracket による計算方法を学ぶため, 中国のBIMSAから Juxin Yang 氏を3ヶ月間招聘し, そのテクニックを学んだ。結果的に, 当初の研究計画に挙げられていた研究に取り組む時間が少なくなった。 更に, 通常のホモロジー代数の場合と比較して, Khovanov の方法では, 次数付きの場合がうまく扱えないことに気付き, Holm と Jorgensen の Q-shaped ホモロジー代数の手法を積を持つ場合に拡張することに取り組んだ。 昨年度の報告では, 2023年度は, 5つの目標の内4番目と5番目の課題に取り組むことになっていたが, これらの理由で, 4番目の Hopf巡回ホモロジーに取り組む時間が少なくなった。またこれまでの研究で欠けているのが, 具体例の考察であるが, これについては Q-shaped ホモロジー代数の拡張により Kapranov の N-微分次数付き代数の場合が扱えるようになったこと, 更に多くの例が構築できるようになったことから, 「やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の研究で, Holm と Jorgensen の Q-shaped ホモロジー代数の拡張が得られたが, これは Khovanov のホプフォロジカル代数も包括する理論である。今後の研究では, まずこの Q-shaped ホモロジー代数の一般化について, 研究すべきであると考えている。 具体的には, まずモデル圏と Waldhausen 圏を定義し, それにより代数的K理論や (topological) Hochschild ホモロジーや (topological) 巡回ホモロジーなどを導入し, その性質を調べる。また N微分次数付き代数の場合のような, 具体的な例も調べる。 申請時の研究計画書の5つの目標の内, まだ研究が進んでいないのは, 目標4のHopf巡回ホモロジーと目標5の余加群代数の場合の研究であるが, 余加群の構造は次数付けと深い関係にあるため, 目標5は Q-shaped ホモロジー代数への拡張と修正し, 2024年度に研究を行なう。
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