Zeta functions for Kaehler magnetic fields
Project/Area Number |
20K03581
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 11020:Geometry-related
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
足立 俊明 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60191855)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 佐々木磁場 / ルジャンドル磁力流 / 共役 / ケーラー磁場 / A型実超曲面 / 複素空間形 / 正規ケーラーグラフ / 直積ケーラーグラフ / 確率的隣接作用素 / 井原型ゼータ関数 / 隣接作用素 / ルジャンドル軌道 / 可換な隣接作用素 / 頂点推移的 / 積グラフ / ゼータ関数 / ケーラーグラフ |
Outline of Research at the Start |
グラフはリーマン多様体の離散化として捉えられグラフ上の道は測地線に相当する。ケーラー多様体をリーマン幾何学の観点で考察する道具であるケーラー磁場の軌道の離散版として2種類の辺を持つケーラーグラフ上の2色彩道を挙げることができる。この対応の中で正則グラフは等質空間の離散化に対応すると考えられるが、ケーラーグラフでは2色彩道が有向であるため、閉道の長さに関する生成関数であるゼータ関数を考えると正則ケーラーグラフではこのような対応が見られない。そこで対応する対称性の高いグラフを見出しゼータ関数とグラフの幾何学的量との対応を調べ、更に複素双曲空間の商に対するセルバーグ型ゼータ関数との関係を考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、複素空間形内のA型実超曲面上で佐々木磁場を考え、その軌道が構成する磁力流について、特に接触分布上に制限して性質を調べて分類を行った。これは令和4年度に報告した、正規ケーラーグラフのL関数を考えるにあたって、グラフの基本群を考えると大きすぎるために主辺と補助辺との組合せでできる2色彩道に同値関係を導入することで解消して考察したこと、に対する幾何学的な意味づけを行うためである。 A型実超曲面は代表的な概接触計量構造を持つ多様体でありホップ超曲面でもあるため、特性ベクトル場の積分曲線である測地線と,同ベクトル場に直交する軌道とが全く異なる性質を持つと考えられていた。このため、単位接束上に定義される磁力流を特性ベクトル場に直交する接ベクトルが構成する接触分布上に制限したルジャンドル磁力流の性質を考察した。まず前年度の外側空間におけるケーラー磁場との関連での考察を更に進めて、外的形状のホップ写像に関する水平持ち上げを具体的に表現した。複素ユークリッド空間において接触分布の水平持ち上げを表現することで、軌道の水平持ち上げを分解して考え、ルジャンドル磁力流を行列で表示することで、接触分布の微分同相写像に関する共役性を考察した。接触分布上に作用する磁性回転成分が重要な枠割りを果たすが、その成分を除くと、測地球面に対しては全てのルジャンドル磁性流がルジャンドル測地流と共役であり、複素双曲空間内のホロ球面に対しては測地流を除いた全てのルジャンドル磁性流が共役で有り、更に複素双曲空間内の複素超平面を芯とする管に対してはルジャンドル軌道流が3種類の共役類に分類されることが分かった。この結果は、磁性回転成分を除けばという条件がつくが、それ以外の点では複素空間形に対するケーラー磁力流と同じ性質を満たすことになる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,本来は2022年に予定されていて1年延期となった国際研究集会において研究発表を行うことができ、いくつかの情報を収集することができた。しかし2020年から2022年にかけての感染症の影響による国際舞台での研究発表の機会喪失や情報収集の遅れをカバーするには至っていない。研究代表者が所属する研究機関の同僚によれば、海外のある研究者が、代表者が提案したケーラーグラフと同様の考えで研究を行っているらしい,という情報を得たが、研究代表者はまだ確認に至っていない。また、中国が零コロナ政策解除後も入国ビザ取得を義務づけていることから気軽な訪問ができず、また中国人研究者の海外渡航制限も有り、石青松講師(貴州大学)との佐々木磁場に関する研究はオンラインのみで実施することになった。この面でもいくつかの通信手段が中国政府による制限を受けることになり、研究は当初の計画程度には進展したが、対面で考察を行って予定以上の進展を挙げることはできなかった。 一方、当初予定していなかった、複素空間形の曲線が等質実超曲面上の佐々木磁場の軌道でどの程度表現できるか,という新たに提起された問題については、日本人研究者の研究情報で十分であったことから大きく進展させることがでた。学会で口頭発表を行うと共に論文にまとめて投稿し、この面では大きく進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の考察において、正規ケーラーグラフに関しては、束構造を持つ多様体上の磁場に対する軌道と何らかの親和性があるのではないかと考えるに至っている。このような磁場の代表例としてA型実超曲面上の佐々木磁場がある。2022年にこの磁場に対するルジャンドル軌道とよばれる特別な軌道について長さの考察を行ったが、これを束多様体の底多様体上の軌道とみて束方向との合成を考えることができないか、この性質を調べることで、ケーラーグラフのゼータ関数を考察するにあたって必要な仮定が,この面から自然な状況になっているのではないか、という観点に立って,研究を更に進展させたいと考えている。本問題は大きなテーマであるため延長された1年での研究で解決に至るとは思われないが、次年度は今回の研究と次に提案する研究とのつなぎとして、ルジャンドル軌道と測地線との関連を複素空間形におけるケーラー磁場の軌道と対比させることで考察することとする。 2024年度はルーマニア・ヤシ及びモロッコ・フェズでの国際研究集会に招待されており、その場でこれまでの成果を発表すると共に、研究代表者の考え方に対する他の研究者の反応を見ることにしたい。
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Report
(4 results)
Research Products
(18 results)