高階パンルヴェ方程式のStokes幾何とインスタントン解の構造解析
Project/Area Number |
20K03637
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 12010:Basic analysis-related
|
Research Institution | Hokkaido University (2023) Josai University (2020-2022) |
Principal Investigator |
梅田 陽子 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (90606386)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
|
Keywords | 完全WKB解析 / インスタントン解 / ストークス幾何 / 高階パンルヴェ方程式 / 漸近解析 / ストークス現象 / Stokes幾何 / パンルヴェ階層 / 野海・山田方程式系 / 野海山田方程式 / 特異摂動の代数解析 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、以下の課題に取り組み非線形可積分系の完全WKB解析の理論を進展させることが目的である。(研究I)40種類からなる4次元パンルヴェ方程式に対して「Lax対のStokes幾何と非線形のStokes幾何の間に成立する縮退現象(変わり点の合流, Stokes曲線の退化)」を証明する. (研究II)(i)野海山田方程式のインスタントン解の構成 (ii)パンルヴェ階層のインスタントン解の特異性の解明(iii)高階非線形方程式特有の仮想変わり点,第1種,第2種変わり点の構造解明
|
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き, (i) (PI)mのインスタントン解の特異性に関わる未解決問題, (ii)Lax対をもつ非線形方程式のStokes幾何の研究に取り組んだ. (i)多重スケール解析を用いてI型パンルヴェ階層(PI)m (m≧2)の解を構成した場合,変わり点の他に多くの特異点が見かけ上現れる.その特異点の出現は非線形に頻出する小分母問題に起因する.ところが(PI)mの解の低次項については,小分母が消えてしまい問題は起こらないという現象が観測される.予想「(PI)mのインスタントン解の係数の特異性は変わり点集合においてのみ現れる」の証明を完成することはできなかったが,やや進展があった.これまでの解構成法とは異なり,(PI)mの解をetaの負冪に展開せず,ある基底が満たす乗法関係を繰り返し用いることで,インスタントン解の係数決定方程式(漸化式)を明示的に導出することに成功した. この点はやや進展である. 得た漸化式から高次の場合の永年方程式の導出なども期待できるが,特異性の解明にはもう一歩アイデアが必要な状態である.
(ii)今年度も引き続き4次元パンルヴェ方程式にlarge parameterを導入し,その不随する線形側のStokes幾何と非線形側のStoke幾何の具体例の計算と, その具体例の理解に時間を費やした. 明示的な研究成果は今のところ得られていないが, 来年度の研究に向けての準備段階である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度の前半は, 健康上の問題があり, 研究に対する十分な時間的, 精神的集中を達成できなかったため.後半は, 順調に研究を再開した. 2023年4月から研究代表者の所属が変更となったことに伴い,22年度に延期した研究打ち合わせについては23年度に実施できた.
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き研究課題の(i),(ii)に取り組む. 今年度までは,大量に計算することで予想を確かめていた段階だが, 得られた知見を基に, 本格的に証明に取り組む予定である. また, 来年度は, 10月に国内外の研究者を招聘し, 国際研究集会を開催する. そこで国内外の研究者との議論を行う予定である.
|
Report
(4 results)
Research Products
(2 results)