Project/Area Number |
20K03697
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 12020:Mathematical analysis-related
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
赤堀 公史 静岡大学, 工学部, 教授 (90437187)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 中間長波方程式 / 非線形シュレディンガー方程式 / 非線形分散型方程式 / 基底状態 / ソリトン / 非線形偏微分方程式 |
Outline of Research at the Start |
Intermediate-long-wave方程式は、異なる密度の流体からなる2つの層の境界面の波を記述する方程式であり、Korteweg-de Vries方程式およびBenjamin-Ono方程式の一般化になっている。さらに、完全可積分系の方程式でもある。このため、物理的にも数学的にも興味深い対象である。本研究では、数学的な観点から基本的かつ重要である時間大域適切性やソリトンの漸近安定性を研究する。
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Outline of Annual Research Achievements |
Intermediate long wave 方程式および非線形シュレディンガー方程式に関する研究を行った。 Intermediate long wave 方程式は, 可積分系の方程式であり, Lax 表現も知られている。しかし, Lax 表現として与えられる線形偏微分方程式系に対して, 逆散乱法を応用するために必要な数学的に厳密な結果は得られていないため, Korteweg-de Vries方程式のように, 解の大域的挙動に関する詳細な結果は得られていない。一方, 最近, Intermediate long wave 方程式に関する保存則の結果がプレプリントとして発表された。この結果により, 初期値問題の大域適切性に関する最良の結果を得るためには, 最良の局所適切性を得れば良い事が分かっている。このような理由もあり, Lax 表現に関する考察が必要であると考え, 研究を行ってきた。本研究において, 物理的にも重要な多重ソリトンを含むような結果を得るためには, 多重ソリトンの個数と進行速度, および方程式に含まれるパラメータの関係も考慮する必要がある事が分かった。 一方, 非線形シュレディンガー方程式に関しては, 基底状態の近傍から出発した解の挙動に関する結果を得た。特に, 球対称性の仮定を課していないことが本研究の重要な部分である。さらに, これまでに知られていた議論を拡張することによって, 解が散乱するための十分条件を空間 3 次元以上の場合に得た。一方で, 球対称を仮定しないため, ある解の挙動を排除することができなかった。排除できなかった挙動をする解が実際に存在するか否かを明らかにすることが今後の課題として残った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Intermediate long wave 方程式および非線形シュレディンガー方程式に関する研究を行った。 Intermediate long wave 方程式は, Korteweg-de Vries 方程式や Benjamin-Ono 方程式と異なり, 扱い易い Lax 表現が得られていないため, 可積分系の特性を活かした解析が難しい状況にある。しかし, 研究を進めていく中で, 方程式のパラメータに制限を課すことによって, 物理的に意味のある多重ソリトンは数学的に厳密に扱えることが分かってきた。これにより, 研究の方向性がはっきりした。 一方, 非線形シュレディンガー方程式に関しては, 基底状態の近傍から出発した解の挙動を, 球対称の仮定無しに分類した。先行研究では球対称性を仮定していたため, 球対称性を必要としない本研究における結果は意義があると考える。一方, 本研究における解の挙動の分類においては, 散乱, 爆発, 基底状態への捕捉, という先行研究と同じ挙動に加え, 基底状態の軌道の近傍に近付いたり離れたりを無限回繰り返す挙動も含んでいる。最初の 3 つの挙動に関しては, その存在は証明されているが, 最後の挙動に関しては, その存在が分かっていないため, この挙動が実際に起こるか否かを明らかにすることが今後の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
Intermediate long wave 方程式に対する最良の局所適切性の研究, および非線形シュレディンガー方程式に対する解の挙動の研究を行う。 Intermediate long wave 方程式に対しては, 引き続き Lax 表現に関する考察を行う。さらに, 逆散乱法を応用するために必要となる基礎的な結果を証明する。 非線形シュレディンガー方程式に対しては, 基底状態より大きなエネルギーを持つ解が散乱するための十分条件を引き続き研究する。特に, 基底状態のエネルギーを超えた解に対しては, コンパクト性の議論を用いた証明が適用できるか否かの判定も難しい場合があるため, コンパクト性の議論を用いない議論を行う。一方, コンパクト性の議論を用いない場合は, 空間 1, 2 次元の解析が非常に難しいことが分かっている。そのため, 空間 1, 2 次元も含むような散乱のための十分条件を得ることを目指す。
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