閉曲面上のグラフの生成定理と局所変形理論の融合的研究
Project/Area Number |
20K03714
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 12030:Basic mathematics-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鈴木 有祐 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (10390402)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 四角形分割 / 多面体的グラフ / 閉曲面 / 偶三角形分割 / 縮約操作 / 既約グラフ / グラフ / 局所変形 / 生成定理 / 三角形分割 |
Outline of Research at the Start |
Wagnerによる「頂点数の等しい平面の三角形分割は対角変形を繰り返すことで互いに移り合う」という結果を皮切りに,グラフの局所変形に関する研究は様々な方向性をもち発展を遂げてきた.一方,グラフの生成定理は,命題を帰納法で証明する際の強力なツールであるがそれ自身も独立した研究テーマである.2017年に発表されたIzmestiev等の論文の中で上記の2つの研究を結びつけるような変形問題が扱われていたが,まだまだ未解決な部分が多い状況である.研究代表者のこれまでの研究を通して得た知識や蓄積したグラフのリスト等を用いて,上記の新たなタイプの変形問題及び近辺の諸問題に取り組みそれらを解決する.
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Outline of Annual Research Achievements |
閉曲面上の偶三角形分割とは各頂点の次数が偶数であるような三角形分割のことである.偶三角形分割に対してその性質を保存するような局所変形がいくらか定義され,それらによって移りあうグラフを分類するという研究が存在する.特に,P-splittingとP-contractionと呼ばれる変形を用いると「有限個の例外グラフを除き,閉曲面F2上の任意の2つの3-染色的三角形分割はそれらの変形で互いに移りあう」という事実が示されている.(3-染色的三角形分割は偶三角形分割である.)上記の有限個の例外を,例外的3-染色的三角形分割と呼ぶが,種数の小さい閉曲面に対してそれらのグラフが実際にどのくらい存在するのかを考え,オイラー標数-8の閉曲面に対して,K_{5,5,5}から6-閉路に対応する辺を除いたものが唯一の例外的3-染色的三角形分割であることを示すことに成功した.(これより種数の小さい閉曲面に対しては,例外的3-染色的三角形分割が完全に決定されているが,そこで得られたグラフは全て完全3部グラフになっている.)完全3部グラフが閉曲面に三角形分割として埋め込み可能であれば,定義より必ず例外的になっている.向き付け可能な閉曲面に対してはWhiteの結果,向き付け不可能な閉曲面に対してはEllingham等の結果より,完全3部グラフの種数が示されており,三角形分割可能なものもその結果から直ちに得ることが可能である.つまり,任意の自然数Nに対して,種数N以上の閉曲面F2で例外的3-染色的三角形分割を認めるものが存在することになる.この事実自体は簡単なものであるが,「(オイラー標数-8の閉曲面上の議論で得られたグラフのように)完全3部グラフではない例外的3-染色的三角形分割が種数に対してどのくらいの頻度で登場するのか?」という問題や,それらのグラフの構造を明らかにすべく研究を継続する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」にも記述した通り,我々はオイラー標数-8の閉曲面に対して,完全3部グラフ以外の例外的3-染色的三角形分割が存在することを示した.単にそのような例を示しただけではなく,そのようなグラフの存在が唯一であることを証明する過程において,オイラー標数-8の向き付け不可能閉曲面に対してはそのようなグラフが存在しないという事実も同時に示せている.つまり,得られた唯一のグラフは向き付け可能閉曲面上の例外的3-染色的三角形分割なわけだが,K_{5,5,5}から6-閉路に対応した辺を除いて得られるという対称的な構造を持っており大変興味深い.完全3-部グラフ以外の任意の例外的3-染色的角形分割が何らかの対称的な構造を持つ可能性もあり,それが見えてくることで,一般の閉曲面上の完全3部グラフ以外の例外的3-染色的三角形分割に言及する定理が作れる可能性がある. 四角形分割の変形問題は,論文に掲載するための図を複数描き,我々が得た変形の置き換えが正しいことを確認した段階である.これらの変形のプロセスが最良かどうかは未だ分かっていない状況であるが,今後も議論を継続していく. 閉曲面上の多面体的四角形分割の生成定理の論文は無事に出版されたが,そこで得られた一般的な閉曲面に対する事実を具体的な種数の低い閉曲面上で確認していく作業はまだ構想段階である.今後,自身の研究室に所属する大学院生等と,適切な時期に研究をスタートする予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
例外的3-染色的三角形分割の研究は,現在,オイラー標数-9の閉曲面に限定して,その存在の有無を確認している段階である.オイラー標数-8の閉曲面の場合と比べても,構造を特定するための場合分けが相当増えることがわかってきている.現在,自身の研究室に所属する大学院生と共に議論を行っているが,人力で収束させることができるか否かに関して,今年度半ばまでに判断を付ける予定である.仮に難しいと判断した場合は,計算機を用いて例外的なグラフを見つけるためのアルゴリズムを構築することにより状況を打破したいと考えている.可能であれば,閉曲面上の偶三角形分割に関する諸問題に対して応用可能なプログラムを作成したい.そのためには「(過去に我々が作成した)与えられた抽象グラフが三角形分割として埋め込み可能かどうかを判定するプログラム」がヒントになると考えている. 四角形分割の局所変形に関しては,現段階で得られている結果を今年度中に投稿することを目標に論文としてまとめていく.また,この結果に関する成果発表は,過去に国内の研究集会で一度行っただけである.議論をより突き詰めて,もう一度国内もしくは海外の研究集会で発表し,再度,近辺の研究者からのレビューを受け,今後の研究に活かしたいと考えている. 一般の閉曲面上の多面体的四角形分割の生成定理に関しては,手始めに射影平面上の四角形分割の生成定理に関する論文の内容を分析し,そこで今後の研究に使用できる補題等を分類する.トーラスに関しては,4-正則なグラフと,次数3の頂点を持つグラフに場合を分けて考える必要がある.4-正則なグラフに関しては既存の結果を復習し,我々の定義した変形がどのようにこのクラスのグラフに適用できるのかを検証する.次数3の頂点を持つグラフに対しては,射影平面上の議論の際に得た補題などを適用して既約なグラフの可能性を絞っていく.
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Report
(3 results)
Research Products
(13 results)