Inverse problems on low-dimensional composite microorganism systems
Project/Area Number |
20K03750
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 12040:Applied mathematics and statistics-related
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
齋藤 保久 島根大学, 学術研究院理工学系, 准教授 (30402241)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | ケモスタット微分方程式 / 複合微生物系 / 振動的共存 / 逆問題解析 |
Outline of Research at the Start |
数学の力量を最大限に活用し、21世紀の微生物学・応用微生物学の進むべき方向に風穴を開ける。そのために、複合微生物系の発現する機能は実測される一方、その内部構造の全貌は明らかできないという難点を数学の逆問題と捉える。そして、少数種類の微生物相互作用系の解明が複合微生物系の機能利用のための最も確実な道筋であろうとの信念のもと、2種類あるいは3種類の不確かな内部構造を有する複合微生物系を、実際の微生物動態と定性的にも定量的にも合致するケモスタット微分方程式を用いてモデル化し、解のふるまいから内部構造を同定する逆問題解析を展開して行く。
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Outline of Annual Research Achievements |
環境浄化では、どの微生物がどういう条件下でフェノール分解能を最大限発揮するかという既知データから、それら複数種類の協働によって発現される機能のリストアップが希求されている。少数種類のなす不確かな内部構造をもつ複合微生物系を、実際の微生物動態と定性的にも定量的にも合致するケモスタット微分方程式でモデル化し、解のふるまいから内部構造を同定する数学ー逆問題解析―を展開する本研究課題において、実施3年度目における研究実績は以下に記す通りである。 当研究の実施初年度、2年度に引き続き、Ralstonia sp. P-10株、Comanioans testosterone R2株、及びLaB-08の3菌株が形成する複合微生物系において、各菌の単一微生物系としてのフェノール分解能と増殖速度に関する実測値、及びそれらの複合微生物系としてのフェノール分解能と菌ごとの増殖速度に関する実測値をもとに、同系の内部構造を逆問題的視点から解き明かす研究を行った。研究協力者である2名の微生物学者(静岡大学、東京大学)のほか、静岡大学・博士後期課程の大学院生を新たな研究協力者に迎え入れて研究を進め、先述の3菌株の複合微生物系のおいて、数学、実験、数値シミュレーションを逐次的、相補的に組み合わることにより、起こりうる平衡状態を明らかにするとともに、そのほとんどすべては振動的な共存系であるという興味深い成果を得た。現在、この成果について論文執筆中である。なお、同成果の一部を2022年9月に開催された生物工学会中部支部例会で報告し、発表者であった前出の大学院生が支部長賞を受賞している(演題:「複合系の好適制御のために:Dry & Wet 解析から見えてきた三菌株の安定的共存系の仕組み」)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実施初年度及び2年度の進捗は「やや遅れている」という状況であり、とりわけ、手ごわく難航していた3菌株についての研究が飛躍的に進展したため。 このように飛躍的な進展を遂げられた要因として、前年度までと比べ、当該年度はコロナ禍が幾分好転し、集中して研究協力者と対面で打ち合わせする機会が数回以上持てたことが大きいと考えられる。今後さらなる進展のために、より質的、量的に充実した研究打合せをしつつ、研究成果を出して行きたい。
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Strategy for Future Research Activity |
実施初年度から継続して取り組み、当該年度、飛躍的に進展することができた3菌株(3次元複合微生物系モデル)に関する研究に、さらなる磨きをかける。また、同3菌株とは異なるHaB-30とLaB-06の2菌株が形成する複合微生物系に対し、研究協力者(静岡大学)の研究室で得られた興味深い実験成果を踏まえ、それの内部構造を明らかにする研究に着手する。 研究協力者(静岡大学、東京大学)とは今まで以上に緊密な研究打合せを実施し、数学、実験、数値シミュレーションを逐次的、相補的に組み合わせ、さらには生命状態に関するあらゆる視点を取り入れながら、邁進して行く所存である。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)