Project/Area Number |
20K03803
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 13020:Semiconductors, optical properties of condensed matter and atomic physics-related
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
松本 益明 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (40251459)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 二酸化チタン / 水素 / 光触媒 / 陽電子消滅法 / 低速電子回折法 / 光電子分光法 / 核反応解析法 / 陽電子 |
Outline of Research at the Start |
本研究においては,再放出陽電子のエネルギー分析による新しい水素検出法(再放出低速陽電子分光法)を開発し,従来から用いられている陽電子消滅法の理論と組み合わせて水素の定量を行い,既存の核反応解析法や光電子分光法と組み合わせることにより,二酸化チタンの水素化により生じるブラックチタニアのバンドギャップの狭小化における水素の役割を明らかにすることを目的として研究をおこなう.これによりブラックチタニア等における水素を用いたバンドギャップ制御の方法を探る.
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度までの実験においては、平坦な単結晶TiO2(110)の表面を原子状水素中での加熱によって黒色化してきたが、その際黒色化により表面の凹凸が増大することが観察されたため、2023年度においては、初期状態においてステップ密度の高い表面を用いることにより黒色化に違いが出るのかどうかを調べた。走査トンネル顕微鏡(STM)法で清浄表面を調べたところ、100nm程度の間隔で高さ約0.7nmのステップが存在していることが分かった。その表面を700Kに保ちながら2x10^(-2)Paの水素中でフィラメントを1923Kに加熱して水素を解離させて照射したところ、30分後にはテラス上の凹凸が 1nm近くに達してステップが見えなくなった。さらに30分水素化したところ、より大きな凹凸が形成された。さらに低速電子回折(LEED)法での観察では、ブリッジサイト吸着酸素列の方向([001]方向)に4倍周期の構造が形成されていることが分かった。この周期構造は酸素欠損等によるものと考えられ、初期状態におけるステップの方向とも関係があると考えられるが、詳細は明らかにできていない。また、X線光電子分光(XPS)法によるステップ面の黒色化の測定では、同じ圧力で、試料温度を変えて20分間の水素化を行った。試料温度320Kでは黒色化は起きず、XPSのTi2pやO1sのピーク強度にもほとんど変化がなかったが、600Kから800Kの試料温度では黒色化が進み、XPSのピーク強度が変化し、Ti2pのピークの低エネルギー側に肩が現れ、O1sピークの強度の減少が観察され、700Kで水素化することが最適であることが分かった。また、UPSでは700Kにおいて、これまで観察されなかったインギャップ準位のシフトが観察された。これがステップの存在によるものかどうかについてはまだ不明であり、今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2023年度においては、引き続き東京学芸大学及び東京大学生産技術研究所での基礎的な実験を並行して進めた。単結晶試料としてステップ面を用いることによりいくつかの新しい知見が得られたが、平坦面と若干の違いが観察されており、それを矛盾なく説明できる解釈が必要である。東京大学物性研究所での陽電子消滅法による実験を断念することにしたため、別の場所で実験を行うことを模索したために課題の進捗状況が遅れており、補助期間を延長させていただき、2024年度の陽電子消滅法実験を目指すこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、産業技術総合研究所において、陽電子消滅法による実験を行う予定である。その実験ではこれまで使用してきた10mm角の試料よりも大きな15mm角の試料が必要であり、それを購入して、表面をできるだけ一様に黒色化する必要がある。そのため、まず装置の改良を行う。昨年度の実験で黒色化に最適な温度が700Kと分かったため、今年度は黒色化のための原子状水素照射の時間を変化させて、これまでと同様に低速電子回折法、走査トンネル顕微鏡法、光電子分光法により研究を行うと共に、陽電子消滅法を用いて表面近傍の欠陥の密度を測定することで、原子状水素による黒色化と欠陥との関係についての知見を得、幾何学的・電子的構造とも比較して、総合的な研究を行う予定である。
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Report
(4 results)
Research Products
(6 results)