Theoretical and Numerical Study on the Quantum Spin Liquid and Exotic Excitation of the Kagome-Lattice Antiferromagnet
Project/Area Number |
20K03866
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 13030:Magnetism, superconductivity and strongly correlated systems-related
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
坂井 徹 兵庫県立大学, 理学研究科, 教授 (60235116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
利根川 孝 神戸大学, 理学研究科, 名誉教授 (80028167)
中野 博生 兵庫県立大学, 理学研究科, 准教授 (00343418)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 量子スピン液体 / 磁化過程 / 異方性 / スピン・ネマティック液体 / フラストレーション / スピン励起 / 電子スピン共鳴 / 選択則 / スピンギャップ / 量子スピン系 |
Outline of Research at the Start |
高温超伝導の起源として提唱された量子スピン液体を実現する候補物質として注目されるカ ゴメ格子反強磁性体について、磁気励起がギャップレスのU(1)ディラックスピン液体と、ス ピンギャップを持つZ2トポロジカルスピン液体という2つの物理描像が提案され、理論的に も実験的にも、どちらが正しいか論争が続いている。そこで本研究では、この論争に決着を つけるため、大規模数値対角化と独自の有限サイズスケーリング法を適用して、カゴメ格子反強磁性体の理論的・計算科学的研究を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
典型的な量子スピン液体の1つである朝永・ラッティンジャー液体を示す低次元量子スピン系について、最近注目されているスピン・ネマティック液体を中心に理論的・数値的研究を進めた。主な実績は以下の通りである。 【スピンラダー系】桁方向の相互作用が異方的強磁性相互作用であるスピンラダー系の磁化過程において、2マグノンの束縛状態を準粒子とする朝永・ラッティンジャー液体相が出現することを理論予測した。さらにこの相の強磁場相において、スピン・ネマティック液体相が実現することを理論的に示した。 【ボンド交代鎖】強磁性相互作用と反強磁性相互作用が交互に並ぶボンド交代鎖の強磁性相互作用に容易軸異方性を導入した理論模型を考え、この系の磁化過程を有限系の数値対角化と有限サイズスケーリングを適用して研究した。その結果、やはり2マグノンの朝永・ラッティンジャー液体相が出現するとともに、その高磁場側に、スピン・ネマティック液体相が実現することを理論予測することができた。 【その他の系】デルタ・スピン鎖と呼ばれる系や歪んだダイヤモンド・スピン鎖においても、同様の磁場誘起スピン・ネマティック液体相が実現することを理路的に予測した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新奇な量子スピン液体とそのエキゾティックな素励起を理論的に予測するという目標に対して、磁場によって誘起されるスピン・ネマティック液体相とその2マグノン素励起の理論予測に成功したので、概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに理論予測したスピンラダー系とボンド交代鎖の磁場誘起スピン・ネマティック液体相については、詳細な報告を原著論文として出版したので、今後はさらに発見したデルタ・スピン鎖や歪んだダイヤモンドスピン鎖における磁場誘起スピン・ネマティック液体相について、学会発表や論文出版に結び付けたい。 また、カゴメ格子のような二次元格子系においても、同様な異方的強磁性相互作用と磁場のメカニズムに基づく磁場誘起スピン・ネマティック相が実現する可能性が期待されるので、今後は二次元系についても対象を広げて研究したい。
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Report
(3 results)
Research Products
(21 results)