Investigation of giga- and terahertz frequency of main-chain involved with function of hemoglobin confined in pore with low dielectric constant
Project/Area Number |
20K03877
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 13040:Biophysics, chemical physics and soft matter physics-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
長友 重紀 筑波大学, 数理物質系, 講師 (80373190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中谷 清治 筑波大学, 数理物質系, 教授 (00250415)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | ヘモグロビン / シリカゲル / 細孔 / ミオグロビン / 拡散 / 蛍光 / 共焦点顕微鏡 / ラマンスペクトル / ヘムタンパク質 / 亜鉛 / 吸収スペクトル / 倒立型顕微鏡 / 協同効果 / ゆらぎ / テラヘルツ |
Outline of Research at the Start |
本研究の概要は,酸素運搬タンパク質であるヘモグロビン(Hb)の酸素結合における協同効果発現機構に関して提案されている「タンパク質主鎖の大振幅揺らぎ説」,「低振動数モードの寄与説」の実験的に検証するために,Hbを比誘電率の小さい多孔質シリカゲルの細孔に入れて(水溶液中では水の大きな比誘電率のため,タンパク質由来のシグナルが水の強いシグナルのために隠れてしまい検出が事実上できなかった)ギガヘルツ,テラヘルツ領域の低振動数モードの分光測定により検証を行う研究である.さらに,細孔内に入ったHbと水溶液のHbの分子構造の比較から,Hbの協同効果発現機構における重要な因子の解明を目指す研究である.
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度に立ち上げたヘモグロビンのシリカゲル内の酸素飽和度を評価するための顕微吸収分光光度計を用いて,細孔内でのヘムタンパク質(ミオグロビン)の挙動を細孔内拡散をもとにして調べ,細孔内においてはシリカゲルの静電場(シラノール基のO-により負に帯電)の影響により,ミオグロビンの正味の電荷が正になる低pHではシリカゲル表面の負電荷により静電引力の効果により脱着が遅くなり,このために細孔内拡散が著しく低下することが明らかになった.一方,高いpHではミオグロビンの正味の電荷が負になることで静電反発が生じ,脱着が遅くなる効果が生じないことから,細孔内拡散は低下しないことも明らかになった.なお,前回も記したが,シリカゲル細孔内に亜鉛再構成ミオグロビンが入る(分配),出る(放出)過程については,細孔サイズを変えて分配,放出過程を調べ,細孔内におけるタンパク質の新たな性質がわかった.投稿論文として2023年度に発表した.そこでは,細孔内のサイズがミオグロビンの分子サイズに近い10,15 nmでは,表面拡散のみが起こり細孔内空間を動くポア拡散はほとんど起こらない,一方,ミオグロビンの分子サイズより大きい30, 50 nmでは表面拡散よりもポア拡散の寄与が大きくなるが,表面-ポア拡散モデルから予想されるポア拡散の値よりも小さくなった.これは新しい知見で,ポア拡散が起こるためには表面から離れるための脱着速度が重要になるが,これはpHが大きく影響し,本概要最初にも書いたが,細孔サイズ依存性の実験で用いたpH 6.5では,シリカゲル表面とミオグロビンとの間の静電引力の効果が大きくなり,そのため脱着が遅くなり,このことが表面-ポア拡散モデルから予想されるポア拡散の値よりも小さくなったことが明らかになった.このように細孔内のヘムタンパク質の基本的な知見を本研究により得ることができた.
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Report
(4 results)
Research Products
(10 results)