Project/Area Number |
20K03967
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 15010:Theoretical studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology (2021-2023) Niigata University (2020) |
Principal Investigator |
青山 茂義 東京農工大学, 学内共同利用施設等, 教授 (60311528)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 核力第一原理計算 / 少数体系 / 散乱状態 / 第一原理計算 / 核反応 |
Outline of Research at the Start |
福島第一原発の放射性原子核汚染水問題は、現代日本の抱える大きな問題である。放射性原子核は吸着法等により水から分離可能であり、その除染処理が東京電力により進められている。しかしながら、トリチウム(三重水素)は陽子と電子の数が水素と同じであるので、化学的手法によって水から分離することができずに最後にトリチウム水が残る。現在でも、原発建屋への地下水の流入は続き、汚染水が日々増大し続けているが、問題解決のための糸口すら見出せていない状況である。 この問題解決を子供や孫の世代に先送りしないために、本研究では、新たな可能性として、トリチウムそのものを核種変換により消失させるための基礎研究を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、トリチウム汚染水問題を解決するための糸口として、核種変換によりトリチウムを消失させるための基礎反応であるt+p→3He+n反応を分析し、どの ようなエネルギーで陽子をトリチウムにぶつけるのが変換効率がよいのかを理論的に明らかにするのが主な目標であった。また、そのための手法として、トリプルグローバルベクトル法に微視的R行列理論を組み合わせた核力第一原理計算の手法を用い、スーパーコンピュータ(超並列計算機)を用いた大規模数値計算を行うことにした。本申請では,相互作用依存性など,全角運動量J=0状態の詳細分析を行う一方で、全角運動量J=1とJ=2の場合も同様に計算を行ってきた。これにより,本研究課題で興味のある低エネルギー領域での全断面積を求めることが可能になった。 今年度は、断面積の主成分であることがわかった共鳴状態(2-)の詳細な分析のため、複素座標スケーリング法の適用を行い、共鳴状態の分析を行った。実験的に期待されるt+p閾値の少し上の2-共鳴状態については、予想通り得られたが、完全に収束したと解とはいえず、基底関数をより増やした大規模数値計算を行うか、基底関数を選ぶ手法の改善が必要であることが判明した。。基本的には大幅に基底関数を減らす必要があるので、新たな手法として、量子アニーリング方式の量子コンピュータを基底関数の選択方法として採用した量子機械学習を使う方法を提案し、方法論、及び、技法の開発を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
数値計算や分析は、概ね順調に進み、ほぼ終了している。また、派生した量子機械学習や複素座標法の適用により、今後の発展も期待できる。一方、コロナ禍の影響もあり、国際会議での成果発表などが、できていない。今年度は、本務により、長期出張等ができない状況であったので、方法論の拡張を中心に行った。成果については、来年度にまとめて発表する予定である。」
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Strategy for Future Research Activity |
得られた計算や分析結果を下に、国際会議や論文発表を中心に行う。
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