Project/Area Number |
20K04013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 16010:Astronomy-related
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
秋田谷 洋 千葉工業大学, 惑星探査研究センター, 上席研究員 (60450186)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Keywords | 星間偏光 / 可視光 / 赤外線 / Gaia / 偏光観測 / 可視光赤外線 / 観測装置 / 光学望遠鏡 / 天文学 / 星間物質 / 星間磁場 / 偏光 |
Outline of Research at the Start |
我々の銀河内には星や惑星の原料となるガスや塵粒子が漂っており、特に塵粒子は銀河内の環境により大きさや組成が異なっている。また、銀河全体を大局的な磁場が貫いており、天体形成などで重要な役割を果たしている。しかし、塵粒子や磁場の詳細な立体分布を解明することは容易ではない。本研究では、星間の塵粒子が銀河内磁場によって整列し、奥から届く恒星の光を「偏光」させる現象を測定し、距離測定衛星Gaiaによる恒星までの距離の情報を併せて、地球から見た奥行き方向の塵粒子の特性および銀河内磁場の三次元的な立体分布を導き出す。これにより、銀河内の多様な環境による塵粒子と磁場の特徴の一般像を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
広島大学かなた望遠鏡の観測装置HONIRを用いた星間直線偏光の三次元空間マッピング観測を推進した。星形成領域のみならず、天の川銀河面、分子雲などにも観測対象の範囲を広げた。これにより、多様な星間環境における星間磁場・塵粒子特性を明らかにすることができるようになった。 観測領域のうち、昨年度までに観測と解析が完了し論文とりまとめを始めていたSgr(いて座)領域の星間偏光観測結果について、査読論文として出版した。論文化に際しては国内外の専門家や南半球の星間偏光サーベイグループも加わり、国際共同研究体制を強化しつつ議論を深めた。成果についてプレスリリースを行った。他にも、観測・解析が進んだ領域については、初期成果を学会において発表した。 昨年度から開始した星間偏光観測研究グループの活動をさらに活発化した。毎週の定例会議を継続しているほか、2日間にわたる広島大学においての現地ミーティングを開催した。観測対象に関する充実した議論を行っているほか、機器や解析環境の整備・運用を、グループとして組織的に効率良く進められるようになった。 また、エジプトNRIAGが運用するコッタミア天文台に赴き、1.88m望遠鏡用観測装置KFISPの装置性能評価を主導した。本装置は高精度・高効率の偏光撮像観測を行う機能を有する。今後、国際共同研究として本課題に関わる観測を共同で行うことで、本課題の研究をより発展させることを狙っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
星間直線偏光の三次元空間マッピングに関する初の査読論文が出版された。さらに多様な領域の観測・解析が進んでおり、一部は学会における成果発表も成された。本課題は昨年度から本年度にかけて大きく進んでいる。それにともなって、データ解析環境の整備も大きく進んだ。これらは、昨年度から星間偏光観測研究グループが組織され、メンバー間の分担・協力体制が強化されたことに依るところが大きい。 一方で、HONIR装置に導入する予定であるSDSSバンドパスフィルターの製作は、次年度に先送りした。これは次の理由による。新しいフィルターの導入のためには観測装置の運用を一定期間(2週間程度以上)停止する必要がある。しかし、偏光観測グループの活動強化もあり、既存のバンドパスフィルターを用いてでもまずは観測を推進してデータを取得することで研究成果を早期に輩出することができるようになってきた。そこで、観測の推進を優先し新規フィルター導入は遅らせる方針とした。そのため、SDSSバンドパスフィルターの導入が当初予定よりも遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
ひきつづき、星形成領域を含む多様な銀河内領域について、かなた望遠鏡HONIRを用いた星間偏光マッピング観測を進め、星間磁場と塵粒子の特性を明らかにする。 すでに観測を完了して成果とりまとめを始めている領域については、査読論文化を進める。また、これから観測を開始する領域についてはHONIRを用いた観測を推進する。データ解析環境の構築も進める。これらは、星間偏光観測研究グループで分担・協力して行う。 既存のバンドパスフィルターを用いた観測の推進を優先して実施を遅らせていた、SDSS バンドパスフィルターの製作と装置への設置を、次年度に行う。すでに、フィルター製作メーカーとの間で詳細仕様の検討を始めている。フィルター納品後は透過率や加工精度などの基本性能の測定を行う。装置への設置については、装置運用に支障がないように日程を考慮して実施する。
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