ガス惑星の自転軸傾斜の起源:メッシュフリー法を用いた数値流体計算
Project/Area Number |
20K04051
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17010:Space and planetary sciences-related
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Research Institution | Ichinoseki National College of Technology |
Principal Investigator |
谷川 享行 一関工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (30422554)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 惑星 / 円盤 / 数値流体シミュレーション / 自転 / 角運動量 |
Outline of Research at the Start |
土星・天王星・海王星の大きな自転軸傾斜のメカニズムを解明するため、原始惑星系円盤中で円盤ガスを捕獲しながら成長する原始ガス惑星が、円盤ガスをどのような向きに捕獲し、その結果として惑星の自転軸ががどういう向きになるかを、大規模数値流体シミュレーションを行って明らかにすることを目的とする。特に、惑星軌道面と原始惑星系円盤面のずれの度合いに対して惑星がどういう自転軸傾斜・自転角速度をもつかを系統的に調べる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ガス惑星の自転軸の起源を探るため、中心星(太陽)まわりのガス円盤(原始惑星系円盤)の中で円盤ガスを捕獲しながら成長する惑星について調べる。具体的には、惑星が原始惑星系円盤からの降着により捕獲したガスの角運動量ベクトルの向きと大きさを調べることで、惑星自転軸がガス降着によりどのような影響を受けるかを、主に数値流体シミュレーションを用いて検討することを目的としている。数値流体シミュレーションには、最終的には近年実用化されたメッシュフリー法(GIZMO)を用いる予定である。この方法は、メッシュ法で問題となる数値拡散(メッシュを流体が横切る際に生じる各物理量の人工的な拡散)が小さく、かつ粒子法で問題となるシア流に対する数値粘性も小さい、という両者の長所をあわせ持つため、本研究には最適な手法である。今年度は、このメッシュフリー法を用いるに先だって、通常のメッシュ法を用いて計算を行ない、メッシュフリー法を行う際に問題となるであろうポイントを洗い出す。その後、メッシュフリー法特有のデータの設定の仕方、特に密度の初期条件の設定方法について昨年度より引き続き検討を勧める。具体的には、非メッシュ法の場合、密度が低い領域の記述が難しく、メッシュフリー法も基本的には同様の問題がある。本研究においては、円盤の中心面から大きく離れた領域の密度をメッシュフリー法においてどのように表現するのがより良いかを検討する必要がある。この点についてどのようにクリアーすべきかを、粒子法に詳しい研究者と相談している段階である。シミュレーションを行う環境(ローカル環境・外部のスーパーコンピュータの環境)については順次進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
学内業務の著しい増加のため、研究に割ける時間が想定より大幅に少なくなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も昨年度に引き続き、ローカルでのテスト計算環境をより改善し、外部のスーパーコンピュータでの本計算環境について整える。初期条件を作成する。3次元円盤の密度構造(特に円盤に垂直方向の静水圧構造)を非メッシュ法で設定するのは技術的に難しいことが知られているので、テスト計算としてまず惑星が無い状態で設定し、作成した初期条件から計算が安定に進むことを確認する。次に、新しい数値流体計算コードにおいて、惑星を原始惑星系円盤中に存在させた状態で計算を行い、過去の計算結果を再現できるかを確認する。その際、惑星の軌道は円軌道を仮定して行う。惑星質量に対して惑星重力により励起される波のパターンおよびその振幅について確認し、計算が安定して進むことを確認する。この過程で、粒子的流体データ特有のデータ解析・可視化についての手法を調査して習得する。以上が進めば、本計算において調べるべき2つのパラメータ(惑星軌道の離心率・軌道傾斜角)の内、より研究が行われている離心率依存性を調べる。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)